タイヤとマイカについて

マイカは偏平であり、空気遮断性、加工中の形状保持性に優れるため、タイヤのインナーライナーに用いるのが好ましい。
ゴムの空気遮断性が向上すれば、配合するブチルゴムの量を減らすことができる。
つまり、ゴム成分として天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ブタジエンゴム(BR)などを、一部使用することができる。
また、充填剤(フィラー)としてカーボンブラックやシリカの配合量を減量することができる。
さらに、LRR(低転がり抵抗性の向上=低tanδ)化が可能となる。

しかし、マイカにはデメリットがある。
マイカは、通常25~100μmの大きさ(粒子径)があるが、分散が悪いと、マイカが破壊核となりやすく、亀裂成長性が促進されてしまい、タイヤ用ゴムにとって好ましくない結果が生じてしまう。
特に、粘度が低いENRやロロブチルゴムを用いた場合、フィラー分散が悪く、亀裂成長も悪い(つまり、亀裂成長性が促進される)。


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