ヘリコプターマネーと量的緩和QEの違いとは?

【ヘリコプターマネー】

ヘリコプターマネーとは、「ヘリコプターからお金をばらまく」という比喩から生まれた言葉です。

これは、経済学者ミルトン・フリードマンが、ヘリコプターからお金をばらまけば、人々はそれを拾って所得が増えるので、支出を増やすという思考実験をもとにした理論です。

現在は、税金などによって回収されることのないお金を、人々に配る政策を意味しています。

日本でヘリコプターマネーが議論されるようになったのは、企業・家計・政府・中央銀行と付け替えられてきた借金の行き先がなくなったからと言われています。

なお、ヘリコプターマネーに類似する政策として、政府が発行した民間保有の国債を、中央銀行が公開市場で買い取り、これを、1)無利子の永久債に転換する方法あるいは2)償還期限がきたら継続して億歳の借り換えを行う方法が提案されています。

政府と中央銀行を一体のものとして見れば、国債は、政府の債務であると同時に、中央銀行が資産として保有するものであるため、両者は相殺されていると見ることができます。

【量的緩和】

これに対し、量的緩和は、日銀が国債などの資産を買い入れることで、マネタリーベース(通貨供給量)を増やし、人々の予想するインフレ率を高めようとするものです。

なお、通貨供給量とは、流通する現金と金融機関の日銀当座預金の合計のことです。

ヘリマネと量的緩和の違い

ヘリコプターマネーと量的緩和との違いは、量的緩和が買い取った国債をいずれ民間に売り戻す予定であるためマネタリーベースの増加が一時的であるのに対し、ヘリマネは、マネタリーベースの増加が恒久的となることです。

国民にとっては、量的緩和では将来の負担を懸念しなければなりませんが、ヘリマネでは将来の負担を懸念する必要がないという違いがあります。


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