統計学・疫学の知識
はじめに
医学分野の研究は、因果関係の推論を目的にすることが多くなっています。
たとえば、生活習慣と疾病との関係や、薬の効果などです。
研究対象とする集団
研究対象となる集団は「ターゲット集団」または「母集団」と呼ばれます。
ターゲット集団に対し、「全数調査」または「サンプル調査(標本調査)」を行います。
サンプル調査は、ターゲット集団の数が多い場合に行います。
サンプルは、ターゲット集団からランダムに抽出します。
比較方法
薬の効果判定を例にします。
まず、上述のランダム抽出を2回行います。
そして、一方の集団には薬を投与し、他方の集団には投与しません。
結果を比較することで、薬が人体に影響を与えたかどうかを検証できます。
検証方法
背理法を用います。
「薬を投与しても人体に影響しない」という仮説を立てます。
さらに、仮説の状況下において調査結果のデータが出現する確率が「低い」と判断された場合には、仮説とデータとが矛盾すると評価されます。
すなわち、仮説は誤りであり、「薬の投与が人体に影響する」との結論になります。
なお、判断に用いる確率の基準は、p値と呼ばれます。
一般には、p値が有意水準0.05(つまり5%)を下回るかどうかで判断されます。
p値が有意水準を上回ったときは、「差があるかどうか分からない」という結論になります。