マッチングアプリとは、恋愛や結婚を目的とした会員同士をオンライン上で紹介するサービスです。
近年、マッチングアプリの市場規模や利用者数は急成長していますが、一方で日本の婚姻数は減少傾向にあります。なぜ、マッチングアプリ利用者が増えても、婚姻数は増えないのでしょうか?
マッチングアプリ市場の拡大と婚姻数の減少
株式会社タップルのニュースリリースによれば、日本国内のオンライン恋活・婚活マッチングサービス(婚活アプリ)の市場規模推移は、156億円だった2016年から2020年は622億円へと約4倍にまで急成長しています。
今後の市場予測では、2026年にはさらにその3倍増近い1657億円に達する見込みと発表されています。
しかし、マッチングアプリの売上が、2016年から2020年にかけて4倍になったとしても、肝心の婚姻数は、2016年62万707組から、2020年52万5507組と、増えるどころかむしろ減っています。
果たして、これは婚活に寄与したといえるのでしょうか。
株式会社リクルートのリクルートブライダル総研「婚活実態調査2021」によれば、2020年婚姻者のうち、ネット系婚活サービスを通じて結婚した人は11.1%と過去最高になったと報告しています。2016年は4.5%だったので、なるほど確かに割合は増えています。
これを年間の婚姻数と掛け合わせると、ネット婚活サービスによる婚姻数は、2016年約2.8万組から、2020年には約5.8万組になったと推計できます。単純に倍増したのだからそれなりに婚姻に寄与したのではないかといえるかもしれません。
マッチングアプリ利用者の特徴と問題点
しかし、よくよく考えてみると、ネット婚活サービスで結婚するのは別にそれがなければ結婚できなかった人達だけではないということです。そのサービスがなかったとしても恋愛できる人達が、単純に「出会いの機会拡大に便利だから使いました→たまたまいい人がいたので付き合いました→結婚しました」という流れも多いでしょう。
便利で有用なツールがあれば使うのは当然であり、ツールを使って結婚したからといって、彼ら全員がツールがなければ結婚できなかった層ではないということです。何が言いたいかというと、要するに、ネット婚活サービス利用の結婚数が増えたといっても、本来それを使わなくても出会い、恋愛し、結婚できる恋愛強者たちの交際範囲を拡大しただけになっていないか、という仮説も浮かび上がります。
繰り返しますが、婚姻減は、お膳立てがなければ結婚できない層の婚姻不達成によるものです。婚姻減とはいえ、そんなお膳立てに頼らなくても恋愛や結婚できる恋愛強者は常に一定数います。長期推移でみても、お膳立てなどに頼らない恋愛強者たちの自力結婚数は実数として減少していません。
また、マッチングアプリは一時の恋愛には寄与するのかもしれませんが、結婚には寄与しないのではないかという話もあります。もしそうなら、なぜそうしたことになってしまうのか?そのカラクリは次のように考えられます。
マッチングアプリ利用者の多様性
マッチングアプリ利用者は、恋愛や結婚を目的としている人だけではありません。実際には、友達作りや趣味の共有、暇つぶしや自己肯定感の向上、セックスや不倫等さまざまな目的やニーズを持った人達が混在しています。
その中でも特に問題となるのは、セックスや不倫を目的とした人達です。彼らはマッチングアプリを出会い系サイトのように利用し、相手を騙したり誘惑したりして関係を持とうとします。このような人達は結婚どころか恋愛すら望んでおらず、相手の感情や将来を考えることもありません。
また、彼らは一人だけでは飽き足らず、複数の相手と同時進行で関係を持つことも珍しくありません。このようにして、マッチングアプリ利用者の中には、本気で恋愛や結婚を望む人達が巻き込まれてしまうケースも少なくありません。
マッチングアプリ利用者の選択肢
マッチングアプリ利用者は、自分の好みや条件に合った相手を検索することができます。また、相手から「いいね」等のアクションを受けることで自分に興味を持ってくれる人達を知ることができます。これらの機能は出会いの機会を拡大するメリットとして出会いの機会を拡大することができます。しかし、デメリットとして選択肢が多すぎることもあります。マッチングアプリ利用者は、自分の好みや条件に合った相手を検索することができます。また、相手から「いいね」等のアクションを受けることで自分に興味を持ってくれる人達を知ることができます。これらの機能は出会いの機会を拡大するメリットですが、同時に選択肢が多すぎるデメリットもあります。
選択肢が多すぎるということは、相手に対してコミットしにくくなるということです。マッチングアプリでは、常に新しい相手が登場します。そのため、一人の相手に集中して交際するよりも、複数の相手と同時進行でやり取りする方が楽しいと感じる人もいます。また、一人の相手と交際していても、もっと良い相手がいないかと気になってしまう人もいます。このようにして、マッチングアプリ利用者の中には、本気で恋愛や結婚を望む人達が満足できないケースも少なくありません。
マッチングアプリ利用者の婚期
マッチングアプリ利用者の婚期は、一般的には遅くなる傾向にあります。マッチングアプリで交際するまでの期間は約3ヶ月半です。ペアーズの公式発表では4ヶ月、withの公式発表では3ヶ月というデータがあります。これは、マッチングアプリでは相手をじっくり見極める時間が必要だからです。また、マッチングアプリでは複数の相手とやり取りすることも多いため、一人の相手に絞り込むまでに時間がかかることもあります。
しかし、交際するまでに時間がかかるということは、結婚するまでにも時間がかかるということです。マッチングアプリで交際したカップルの結婚率は6.3%です。これは、マッチングアプリで交際したカップルのうち、約16人に1組が結婚していることを意味します。この数字は決して高くはありません。また、マッチングアプリで交際したカップルの平均交際期間は2年半です。これは、一般的なカップルの平均交際期間よりも長いです。
つまり、マッチングアプリでは出会いから結婚までに時間がかかる傾向にあります。これは、マッチングアプリ利用者の婚期を遅らせる要因となります。特に女性にとっては、婚期を逃すリスクが高まります。マッチングアプリで結婚したいと思っている女性は、注意が必要です。
マッチングアプリで結婚するためには
マッチングアプリで結婚するためには、以下のことに気をつけるとよいでしょう。
– 結婚願望の強い相手を探す
– 選択肢が多すぎることに惑わされない
– 交際するまでに時間をかけすぎない
– 交際中も結婚に向けて話し合う
まず、結婚願望の強い相手を探すことが重要です。マッチングアプリでは、恋愛や結婚を目的としていない人もいます。そのような人と関わっても、結婚には近づきません。相手のプロフィールやメッセージから、結婚に対する考え方や意思を見極めましょう。また、自分も結婚したいという姿勢を相手に伝えましょう。
次に、選択肢が多すぎることに惑わされないことが大切です。マッチングアプリでは、常に新しい相手が登場します。しかし、それはあくまで可能性の一つです。本当に自分に合った相手を見つけるためには、一人の相手に集中してコミュニケーションを取ることが必要です。また、一人の相手と交際していても、もっと良い相手がいないかと気になってしまうこともあります。しかし、それは幻想です。完璧な相手など存在しません。自分の目の前にいる相手を大切にしましょう。
さらに、交際するまでに時間をかけすぎないことも重要です。マッチングアプリでは、相手をじっくり見極める時間が必要だということは事実です。しかし、それはあくまでメッセージや電話だけでは判断できない部分を確認するためのものです。実際に会ってみなければ、相手の本当の姿や自分の気持ちはわかりません。メッセージや電話だけで長期間やり取りしても、結局会ってみたら合わなかったということもあります。そのような場合は、時間の無駄です。早めに会ってみて、相性や感情を確かめましょう。
最後に、交際中も結婚に向けて話し合うことが必要です。マッチングアプリで交際したカップルは、平均して2年半も付き合っています。しかし、その間に結婚について具体的に話し合っているかどうかは不明です。交際中も結婚のタイミングや条件、将来のビジョンなどを定期的に話し合うことが大切です。そうしなければ、結婚への意思疎通ができず、ズルズルと付き合ってしまう可能性があります。
まとめ
マッチングアプリは、恋愛や結婚を目的とした会員同士をオンライン上で紹介するサービスです。近年、マッチングアプリの市場規模や利用者数は急成長していますが、一方で日本の婚姻数は減少傾向にあります。なぜ、マッチングアプリ利用者が増えても、婚姻数は増えないのでしょうか?
この記事では、その理由として以下の3点を挙げました。
– マッチングアプリ利用者の多様性
– マッチングアプリ利用者の選択肢
– マッチングアプリ利用者の婚期
これらの要因により、マッチングアプリ利用者は一時的な恋愛には寄与するものの、結婚には寄与しない、むしろ婚期を遅らせるという結果になってしまう可能性があります。特に女性にとっては、婚期を逃すリスクが高まります。
しかし、これは必ずしもマッチングアプリが悪いということではありません。マッチングアプリはあくまで出会いのツールであり、その使い方次第で結果は変わります。マッチングアプリで結婚するためには、以下のことに気をつけるとよいでしょう。
– 結婚願望の強い相手を探す
– 選択肢が多すぎることに惑わされない
– 交際するまでに時間をかけすぎない
– 交際中も結婚に向けて話し合う
マッチングアプリで素敵なパートナーと出会い、幸せな結婚をすることは決して不可能ではありません。しかし、それには努力や工夫が必要です。マッチングアプリを使うなら、自分の目的や相手の目的を明確にし、真剣にコミュニケーションを取りましょう。そうすれば、マッチングアプリで結婚する夢は叶うかもしれません。