パートやアルバイトで期間の定めがある場合、有期労働契約の契約終了時には、トラブルが多く見られます。
ここでは、更新契約の拒否(雇い止め)と、予告について取り上げます。
雇い止め=解雇となる場合も
期間の定めのある雇用契約は、有期労働契約と呼ばれます。
有期労働契約は、その期間が終了すれば雇用関係は当然に終了します。
ただし、有期労働契約が反復更新されており、相当期間にわたり雇用関係が継続しており、更新手続きが形式的であったり、継続を期待させるような使用者の言動があったなどという場合は、実質的に期間の定めのない雇用契約とみなされます。
このとき、契約更新拒否は解雇と同様に扱われます。
明示義務
使用者は、有期労働契約の締結時に、契約更新の有無、契約を更新 する場合またはしない場合の判断の基準を明示するとともに、その内容を変更する場合はそれを速やかに明示し なければなりません。
雇い止めと予告
有期労働契約を更新することにより 1 年を超えて継続雇用している労働者について、次回の契約更新を行わない場合は、契約満了の日の 30 日前までに、その予告をしなければなりません。
また、締結時に更新する旨を明示していた契約を更新しない場合で、かつ、その労働者について、
①有期労働契約が 3 回以上更新されている場合
②1 年以下の契約期間の労働契約が更新または反復更新され、最初に労働契約を締結してから継続して通算1年を超える場合
③1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合のいずれかの場合は、少なくとも契約期間が満了する30日前までにその予告をしなければなりません。
そして労働者が雇い止めの理由について証明書を請求した場合は、遅滞なく交付しなければなりません。
これついては、厚生労働省による「有期労働契約の締結、更新 及び雇止めに関する基準」に定められています。
有期労働契約について、会社側とトラブルになるのを防ぐためには、契約更新の基準を明確にしてもらうとこや、書面の交付による更新手続きを怠らないことが重要といえるでしょう。
関連法令
労基法第 14 条、第 15 条
関連通達
H15.10.22 告示第 357 号 、H20.1.23 告示第 12 号、H20.1.23 基発第 0123005 号
関連判例
東芝柳町工場事件(最高裁 S49.7.22)
日立メディコ事件(最高裁 S61.12.4)