化粧水の成分について,ネット上で,「肌に浸透」という表現をよく見かけますね.
この表現について気になったので,調べてみました.
結論:浸透しない
調べてみると,一般的には,化粧水の成分が「肌に浸透する」というのは、適切な表現ではないようでした.
肌の構造はつぎのようになっていますが,化粧水に含まれる成分は,角質層でブロックされ,それより下には届かないそうです.
業界では,自主規制している
この「肌に浸透」という表現は,上記のようにネットでは頻繁に目撃しますが,かなり問題のある表現みたいです.
業界団体(日本化粧品工業連合会)は,【化粧品等の適正広告ガイドライン】にて、使用しないように自主規制しています.
項目のE3にこう記載されています(一部省略)
化粧品において、細胞分裂が殆ど行われていない表皮の角質層へ化粧品成分が浸透する表現を行う場合は、浸透する部位が「角質層」の範囲内であることを明記すること。また、浸透して損傷部分が回復(治療的)する等の化粧品の効能効果の範囲を逸脱する表現は行わない。なお、医薬部外品の作用部位の表現を行なう場合は、事実に基づき、承認を受けた範囲を逸脱しないこと。
〔表現できる例〕
「角質層へ浸透」、「角質層のすみずみへ」
〔表現できない例〕
「肌へ浸透」、「肌の奥深くへ」、「角質層の奥へ」(「角質層」の範囲内であることが明記されていない)
「ダメージを受けた角質層へ浸透して肌本来の肌に回復」(回復的)
「肌の内側(角質層)から・・・」(医薬品的)
面白いですね.
ただし,角質層の下にまで成分を届かせようという商品は、やっぱり存在するようです.
たとえば,DHCスーパーコラーゲンなんてものがあるようです.
信じるかどうかは,買う人次第でしょう.
以上,何かの役に立てば幸いです.