著作権侵害が盛んに行われているサイトのジャンルには、いわゆる「まとめサイト」、「キュレーションサイト」、さらには「バイラルメディア」があります。
しかし、無法地帯と化していた状況が、TPPの影響で変化しそうです。
そう、著作権侵害による刑罰が、親告罪から、非親告罪に変わるからです。
◯そもそも親告罪とは?
親告罪とは、訴追の要件として、告訴が必要となる犯罪です。
告訴とは、犯罪の被害者が、捜査機関にその事実を申告し,犯人の処罰を求める意思を表示することです。
なお、犯人がだれであるか不特定のまま告訴をしても差し支えありません。
著作権と親告罪の関係
TPP加入前では、著作権の侵害の罪は、親告罪でした。
親告罪となっていたのは、元来、著作権の侵害について刑事責任を追及するかどうかは、被害者である権利者の判断に委ねることが適当であり、被害者が不問に付することを希望しているときまで国家が主体的に処罰を行うことは不適切である、と考えられてきたからです。
この制度のもとでは、侵害者が罪に問われるのは、権利者が、犯人を知った時から6ヶ月以内に告訴した場合に限られていました。
◯非親告罪に変わると制度はどうなる
非親告罪となることで、告訴がなくても、訴追できるようになります。
すなわち、これまでは権利者が黙認していたものについて、理論上は、捜査機関が、刑事事件にできるということです。
個人については逮捕・起訴される可能性があり、懲役刑や罰金刑となり得ます。また、法人については起訴される可能性があり、罰金刑となり得ます。
非親告罪に変わることによる影響
重要な点は、警察が著作権侵害を取り締まるのは簡単ということです。
特に、まとめサイトなどを少し閲覧すれば、違法転載しているページは山ほど見つかりますから、警察は簡単に実績を上げられます。
これまで、権利者が放置していたような侵害も、摘発されるかもしれません。その際は、同時に、まとめサイトの管理人に対して、侵害放置の責任を問うような場合もあるでしょう。
無許可でコンテンツを転載することを黙認している今のまとめサイトのビジネスモデルに影響を及ぼすことは必須です。
特に、ディズニーなどのアメリカ産コンテンツは対応がより厳しくなるかもしれません。