代謝性アシドーシスと高カリウム血症の関係について解説します。
水素イオンの取り込みとカリウムの排出
代謝性アシドーシスでは、一般に、細胞外液中の水素イオンが増加し、細胞外液のpHが低下します。
このとき、細胞外液中の水素イオン濃度を下げるため、細胞は、増加した水素イオンを細胞内に取り込みます。
ただし、細胞内の電気的中性を保つため、この水素イオンの取り込みは、カリウムイオンの排出と交換で行われます。
したがって、水素イオンが増加する代謝性アシドーシスでは、細胞外液中のカリウムイオン濃度が上昇します。
細胞外へ移動するカリウムの量が多くなると、高カリウム血症となります。
なお、もともと細胞内に存在するカリウムが少ない場合には、カリウムの排出量が低下しますので、血液のpHが酸性に傾くような代謝性アシドーシスになっても、それほどカリウム値が上昇しない場合があります。