金融庁が,少子高齢化により年金の給付水準の維持が困難と明言し,
国民に対し,勤労継続や資産形成・運用といった自助努力を呼びかけたのが話題です.
そこで,この「勤労継続」について,いわゆるサラリーマンを念頭に,ふわっと考えてみます.
雇用の安定は期待できない
勤労継続…
言うのは簡単ですが,
そもそも,これから先の未来では,安定した雇用は期待できなさそうです.
雇用環境は,いつの時代も期待を裏切るように,大きく変化します.
過去の数十年を過去を振り返ってみても,産業構造の変化は著しく,例をあげれば枚挙にいとまがないでしょう.
きっと今後もそれは同じだと思うのです.
100年ライフに突入
一方で,人生は,100年時代になったと言われます.
従来は,人生は80年くらいであり,教育・仕事・余生と大きく3つのステージがありましたが,100年ライフではそうはいきません.
80歳からその先の20年ほどを生きる時代がくるのです.
そこでは,もはや従来の3つのステージを前提にして人生を設計することはできません.
誰かの真似ではない,自分なり人生を設計する必要が出てきます.
学び直しが重要になる
そういう状況の中で,今後,重要性が増していくのは,おそらく「学び直し」でしょう.
当たり前ですが,時間とともに,身につけた知識やスキルは,どんどん劣化していきます.
それを打開し,長い100年ライフをエンジョイするためには,人生の途中で,新たな学びの機会を得ることが重要なことのひとつになると思うのです.
大学の役割は
さて,「学び直し」といえば,とりあえず,大学が思い浮かびます.
そこで,今の大学での「学び直し」の現状がどうなっているのか調べてみると…
日本では25歳以上の大学入学者の割合が2%と低いようです.
現状,社会人のいわゆる「学び直し」の割合は,けっして高くはないということですね.
ところが,潜在的なニーズはあるようです.
内閣府の調査で,大学で学び直したいと考えている人は8割近いというデータがあるようです.
今後の大学には,そういった,社会人の学びの場を提供する役割を期待したいものですね.