eGFRcreatとeGFRcys(血清クレアチニン、血清シスタチンC)

eGFRには、血清クレアチニンによるeGFRcreatと、血清シスタチンCによるeGFRcysとがあります。

※ちなみに腎機能の指標は、クレアチニンクリアランスCCrもありますが、CCrを測定するには 24 時間蓄尿が必要であり、日常診療での測定は難しいです。Cockcroft-Gault の 式 􏰂􏰃で 推 定 Ccr を計算することもできますが。

 

血清クレアチニンによるeGFRcreatは、筋肉量の減少している症例では 高めに推算されます。

たとえば、四肢欠損や筋肉疾患により、あいは長期臥床により、筋肉量が減少している場合です。

 

これに対して、eGFRcysは筋肉量の影響が少ないです。

このため、筋肉量の多い症例(アスリート、運動習慣のある高齢者など)や、筋肉量の少ない症例(四肢切断、長期臥床例、るいそうなど)では、eGFRcysの有用性が高いです。

注意点としては、血清シスタチン C 値は、甲状腺機能亢進症では上昇したり、ステロイド使用で上昇したりする場合があるので、注意が必要です。

eGFRcreatと eGFRcysが同時に得られる場合は、一般的には両者の平均をeGFR とすると推算の正確度は向上するそうです。

eGFRcreat と eGFRcys の解離が大きい場合は、基礎疾患、薬剤、筋肉量の問題など原因を考慮すべきと言われています。

 

なお、eGFRは、標準的な体型(身長170 cm,体重63 kg)の体表面積(body surface area:BSA)1.73 m2に補正したGFR(mL/ 分/1.73 m2)です。

よって、eGFRは、個人の BSA で 補正して評価することが望ましいです。

eGFRのBSA(体表面積)による補正式
eGFRのBSA(体表面積)による補正式

 

補足ですが、血清クレアチニン値は、GFR が 40 mL/min を下回った際に上昇するといわれています。

軽度の腎血流障害を反映しないことがあり、注意が必要です。

たとえば、急性腎障害(acute kidney injury:AKI)時のGFR 評価は難しいことで知られ、これは、GFRの急激な変化に血清クレアチニン値の変化が追いつかず、クレアチ ニンではその時点の GFR を評価できないためだそうです。

GFR が急激に低下しても、血清クレアチニンはゆっくりと上昇するということです。

また GFR が改善に転じても、血清クレアチニンは上昇し続け、しばらくしてから低下傾向に転じる傾向があります。

 

それから、透析でクレアチニンは除去されるので、透析後のデータ変化には注意すべきでしょう。