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臨床美術とは何か‐医療・美術・福祉の壁を越えたアプローチ‐

文献によれば、臨床美術とは、もともとは、認知症の症状の改善・予防を目的として、1995年に彫刻家の金子健二氏によって考案されたもので、絵画・彫刻・陶芸などを楽しみながら、認知症の症状を改善し、予防も促す、創作活動自体を重視したアートセラピーのひとつである(参考文献は、小児内科 45(8): 1484-1486, 2013)。

感性や感情の脳である右脳を活性化することで脳全体の機能を向上させ、認知症の改善や予防、生きる意欲や自信の回復を目的とする芸術療法である(参考文献は、日本保健医療行動科学会年報 26: 75-77, 2011)。

本格的な芸術性と脳科学の理論を融合させたカリキュラムは、脳を活性化させたい高齢者や子どもの感性を豊かに育む教育でも成果を上げているそうである(参考文献は、日本早期認知症学会論文誌 4(1): 48-49, 2011)。

 

日本臨床美術協会ウェブサイトでは、次のように述べられている。

“臨床美術は、介護予防事業など認知症の予防、発達が気になる子どもへのケア、小学校の特別授業、社会人向けのメンタルヘルスケアなど多方面で取り入れられ、いきいきと人生を送りたいと願うすべての人へ希望をもたらしています。”

関連リンク 🔗特定非営利活動法人 日本臨床美術協会 (arttherapy.gr.jp)

臨床美術士(クリニカルアーティスト)

なお、同協会は、臨床美術のアートプログラムを実践できる唯一の資格「臨床美術士(クリニカルアーティスト)」というを専門資格を認定している。臨床美術士は、その技能に応じて1級から5級までの資格があり、指定の教育機関で学んだ後に口本臨床美術協会の試験を受けて資格認定される。