こちらは過去に書いた記事の再投稿になります。
最近まで、ネット上では、貴金属のゴールドやシルバーは、現物市場に比して巨大な先物市場の売り圧によって、不当に価格が抑えられているという話を見聞きすることが多くありました。
それが不当かどうかは当事者などの主観によるところもあるので、わたしにはわかりませんが、現物取引をしない投資家が価格形成に参加するのは仕方なく、それが市場というものだと理解をしています。
さて、貴金属については、米国の金利がピークアウト観測が出始めてから、投資資金が集まってきています。
ゴールドが日に3%上昇するような日もあり、活況となっています。
シルバーにいたっては、日に7%上昇するときまであります。
そういった市況の変化を受け、プラチナ価格については、投稿時点で、1000ドルを突破したところです(トロイオンスあたり)。
プラチナ>ゴールド
このところの貴金属の価格推移を見てみると、ひとつ面白いことに気がつきました。
それは、プラチナの価格についてです。
ゴールドが上昇するときは、一緒に上昇するのはもちろんなのですが、ゴールドが下落する場面では、ゴールドほど下落しないということに気がつきました。
プラチナは値動きが堅調ということです。
中期的に見て、プラチナはゴールドに比べて上昇幅が大きくなっています。
これを視覚的に表現するには、プラチナの価格をゴールドの価格で割ったものの推移をグラフにするのが便利です。
それを参照すると、プラチナが、ゴールドに比べて安くなってきたことから、下方向に推移しているのですが、これが、最近は上向いています。
つまり、ゴールドよりも、プラチナが買われているということを示しています。
プラチナへの投資の背景は?
なぜ、ゴールドよりもプラチナが買われているのでしょうか。
理由を調べてみると、プラチナの供給不安があるようです。
プラチナの生産国1位の南アフリカでは、電力不足から停電が繰り返し起きるなどの事態が起きています。
それにより、短期的に、プラチナの生産量が低下するとの見方があるようです。
また、需要面については、中長期的な話になりますが、水素社会への移行に向けて、触媒としてのプラチナへの需要が高まるという予測があります。
南アフリカ共和国の水素市場https://www.jetro.go.jp/world/reports/2022/02/26ab0f78a0b75ee0.html
こちらのJETRO(ジェトロ)の説明が分かりやすいと思われますので、もしよければご参照ください。