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フレイル,プレフレイルの違いとは?

フレイルの概念

ヒトは歳をとるにつれて、いろいろな臓器の機能が衰え、ちょっとした感染症や事故、手術などにより介護が必要な状態になりやすくなります。

このような状態は、これまでは「虚弱」と呼ばれていましたが、現在は、それに代えて「フレイル」という言葉が使われています。

「フレイル」はアメリカを中心に老年医学で近年注目されている概念の「frailty」または「frail」を日本に導入するときに生み出された言葉です。

フレイルは、高齢期で介護が必要となる前の段階(健常と要介護の中間の状態)を表します。

要介護状態と違うのは、フレイルは、栄養や運動などによって、再び健常な状態に戻れることが特徴です。

日本においては、「加齢とともに心身の活力(筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態」などと定義されつつあります。

フレイルの指標

フレイルの指標については、世界的に統一されておらず、さまざまな評価方法が提唱されています。

たとえば、最もよく使われているFriedらによる指標では、⑴体重減少、⑵疲労感、⑶歩行速度低下、⑷筋力低下、⑸活動性低下で定義され、3項目以上に当てはまる場合を「フレイル」、2項目当てはまる場合は「プレフレイル」と呼びます。

このフレイル指標はCHS指標(Cardiovas- cular Health Study)と呼ばれます。

ほかに、CHSの指標よりも簡便な指標として、3項目のSOF指標(Study of Osteoporotic Fractures)や、5項目の質問のみからなるFRAIL scale(fatigue,resistance,ambulation,illnesses, and loss of weight)という指標も提唱されています。

広義のフレイルと指標

広義のフレイルは、上記の⑴から⑸の身体的な5つの特徴だけではなく、認知機能低下などの精神的フレイルや、社会ネットワークの減少などの社会的フレイルを含みます。

知機能障害、ADL、栄養、多剤併用、社会サポートの項目を含んでいる広義のフレイルの指標として、Edmonton Fral Scale, Frailty Indexes-based on a Comprehensive Geriatric Assessment(FI-CGA)、Multidimensional Prognostic Index (MPI)などが知られてます。