転職活動では、履歴書を送ったのち、1回のみの面接で採用・不採用が決まる場合がほとんどです。
それゆえ、履歴書および面接でいかに自己PRできるかが勝敗を分けます。
しかし、いいプレゼンテーションをするためのポイントは沢山あり、簡単ではありません。
ここでは、記憶の片隅に留めておいてい ただければ役にたつポイントを紹介します。
基本原則と、「履歴書編」と「面接編」とに分けて、書き方を紹介します。
また、例文もいくつか紹介します。
基本原則
1 シンプルに
自己アピールの善し悪しを決めるのは、印象に残るかどうかです。
印象の違いというのは、一言でいえば「わかりやすさ」から生じます。
「わかりやすさ」には、応募者の話す速度や、職務経歴書の記載量も関係するでしょうが、重要なのは、「シンプルさ」です。
たった一回の試験ですから、あまりに多くの情報量を詰め込むのは避けましょう。
ひとつの重要なメッセージだけに全力を注ぐべきです。
すなわち、『自分を採用するメリットは何か』だけを履歴書・職務経歴書の記載や、面接の回答に盛り込みます。
この核心部分のみをアピールすれば、自然とわかりやすい自己PRになり、高評価が得られます。
核心部分を補足する事柄や、あればいい程度のものは、面接で口頭のみで話したり、職務経歴書になお書きで記載しておけばよいでしょう。
2 質問に備える
自己PRの準備は、どうしても履歴書や職務経歴書の作成や、面接でのアピール時に話す内容の準備が中心となってしまいます。
しかし、自己PRは、一般的にアピールタイムとは別に、質疑応答の時間が用意されています。
予想される質問や、詳細な説明を省略した内容などについて、あらかじめ答えを用意しておくとよいでしょう。
これらの基本原則にしたがって、履歴書と面接では、つぎの点をアピールすることに努めます。
履歴書・職務経歴書
履歴書や職務経歴書でアピールすべきことは、つぎの4点です。
1 人間性
例:真面目、誠実、協調性があるなど
→ 履歴書を丁寧に書くことでアピールしたり、履歴書の「長所」や「趣味」の欄でアピールしたりします。
2 意欲
例:向上心が強い、会社に貢献したいなど
→ 履歴書の「志望動機」の欄や、「退職理由」の欄でアピールします
3.スキル
例:営業力がある、語学力があるなど
→ 職務経歴書や、履歴書の「資格・特技」の欄、あるいは履歴書に添付する添え状でこれまでの経験をアピールします
4.過去の実績
例:売り上げ実績が多い、表彰実績が豊富など
→ 職務経歴書でこれまでの実績をアピールします
面接
面接では、履歴書や職務経歴書に記載した内容のうち、特に、前職での経験を深く掘り下げて話します。
掘り下げて話すとは、①仕事で遭遇した課題、②課題を解決するまでの方法論とその方法を採用するに至ったプロセス(思考過程など)、および、③その経験から得られた成果を説明することです。
たとえば、担当業務での実績や、管理業務の実績などをアピールすると良いでしょう。