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食道カンジダ症の診断、治療、予後

食道カンジダ症

食道カンジダ症とは、皮膚や食道の常在菌である真菌のカンジダが食道内で増殖し、胸焼け、胸痛、嚥下時痛などの症状を引き起こす疾患です。

カンジダ食道炎は、免疫不全患者や、白血病患者、悪性腫瘍患者に多く、ほかにも、長期に副腎皮質ホルモン剤を服用している患者や、抗生物質内服患者、コントロール不良の糖尿病患者などにも認められます。

食道カンジダ症は、その特徴的な内視鏡所見から、カンジダ食道炎とも呼ばれています。

診断

確定診断のためには、内視鏡検査を行います。

食道カンジダ症の場合、食道内視鏡検査で、食道内に水洗浄で容易にはがれない、斑状またはびまん性の白苔を認めます。

この白苔はカンジダ症に 特有で、多発している場合が多く、点状や線状に配列したり、癒合して縦列形成あるいは地図状白苔として認められたりします。

背景粘膜は浮腫状で発赤を呈し、易出血性です。

さらに白苔部位の病理検査(粘膜生検)や、微生物検査(塗抹・培養)などで酵母様真菌を確認することで診断されます。

また、抗真菌薬による診断的治療で症状が改善傾向となる場合は、そのことが食道カンジダ症と判断する根拠になりえます。

なお、問診も重要で、HIV感染などの病歴や、嚥下困難、嚥下時痛などの症状が診断のヒントになります。

治療

内視鏡検査で所見が認められ、なんらかの自覚症状や他覚症状を認めるときに治療の対象となります。

診断後、または診断的治療目的でフルコナゾールの内服を開始します。

内服開始から数日~1週間以内に症状の改善が得られていることを確認します。

軽症は内服治療で十分ですが、重症例は点滴治療を行います。

予後

基礎疾患にもよりますが、予後は良好で、治癒後の再発は少ないと報告されています。

ただ、まれに食道潰瘍形成や出血、穿孔、ろう孔形成、狭窄、真菌性敗血症をきたすことがあります。