少し前に,「夫婦そろって65歳から30年間生きると,老後資金が総額で2000万円不足する」との試算を発表した金融庁の報告書が,話題でしたね.
では,いまから私たちは,老後に2000万円が残るようにマネープランを設計すれば,それで良いのでしょうか?
…そうではないと思うのです.
親が要介護になる場合や,子どもが独立できなかった場合,配偶者が重い病気になる場合などなど…いろいろな悲観的な想定がありえます.
その中でも,それまでの働き方が続けられなくなり,仕事を辞めざるを得ない親の介護の問題(介護離職)は, 大きな不安材料です.
介護サービスにかかるお金
介護離職する人は,年間で,約10万人ともいわれています.
それだけの人数が介護離職をせざるを得ないのは,安く利用できる介護施設や介護サービスが足りないことが原因のようです.
老人ホームの費用は、けっこう高いんですよね.
安く抑えようと思っても、公的施設は安価な利用料ですが(介護保険の適用あり),問題は,誰でも入居できるわけではないことです.
たとえば特別養護老人ホームは,原則「要介護3以上」の高齢者しか入居できません.
仕事を辞めたらどうなる?
また,別の視点で,家での介護を理由に仕事を辞めたら,その後はどうなってしまうのでしょうか.
収入が減って生活が苦しくなり,さらに,早期の離職により退職金も減ることが予想されます.
老後に受け取る公的年金の額も減ってしまいます.
生涯の所得が大きく減るということですね.
また,相手が親とはいえ,介護のストレスは半端ないでしょう.
対策
そんな介護離職を防ごうと,近年,親介護保険なる保険商品が登場しています.
気になった方は,チェックしてみてください☆
・ANAの保険「明日へのつばさ 親介護保険」
・損保ジャパンの保険「親子のちから(親介護費用補償特約セット団体総合保険)」
・NTTグループ団体親介護費用補償保険 「親子のきずな」
・コープの団体「親の介護補償保険」
備えあれば,憂いなし…かもしれません.