認知症と食欲
認知症になると、いまさっき摂った食事の記憶をなくしてしまいます。
また、満腹中枢の働きが弱くなっているので、食欲をコントロールできなくなります。
たとえば、次のようなケースがあります。
困ったエピソード
認知症の父親を持つAさんは、異常なまでの食欲を持つ父親に困惑していました。
食事が終わってすぐに「まだ食べていない」と言い張ります。
夜中には冷蔵庫をあさるようになったり、食器棚を詮索したりもします。
さらに、デーサービスで他人の弁当に手をつけたり、お菓子を奪ってしまったりと、トラブルにもなったことまでありました。
体重は増え続けて、血糖値も上昇し、医師に注意をされるほどでした。
対応方法
認知症の人が「食事をしたい」と言ってきた場合に、注意したり怒ったりしても、認知症の高齢者が不満をもつだけで、解決にはならないことがほとんどです。
これについては、「いまご飯を作っています」、「わかりました」などと伝え、少しの時間を待たせるようにして様子を見ると良いとされています。
話をそらすのも有効で、なるべく食事の話題から遠ざけることが良いようです。
どうしても我慢できない様子のときは、簡単なお菓子を与えると、落ち着く場合もありますので参考にしてください。
なお、食べ物をあさる場合は、冷蔵庫にカギをしておくと良いでしょう。