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門脈圧亢進と脾機能亢進

門脈圧の亢進と、脾臓の機能亢進との関係について解説します。

脾機能亢進の機序

何らかの原因により、肝臓の門脈圧が上がることがあります。

門脈圧が高くなると、血液が脾臓にたまります。

その影響は様々ありますが、脾臓についていえば、脾臓が大きくなることがあり、酷くなると「脾腫」と呼ばれる状態になります。

ここで、脾臓は、体内において最大のリンパ装置で、免疫応答に関与するとともに、血液中の古く なった血球や異常血球を処理する浄化装置として機能しています。

したがって、脾臓に血液が溜まると、壊される血液が増えます。いわゆる「脾機能亢進症」です。

このとき、血小板減少をはじめとする汎血球減少症が見られます。

検査データとしては、ほかに、赤血球の破壊に伴うビリルビンの上昇が見られます。

治療

門脈圧を低下させるために、門脈の血流を下大静脈や腎静脈に流す新しい経路を作成するシャント手術があります。

脾腫に対しては、脾動脈の一部を閉塞させる部分的脾動脈塞栓術があります。