δビリルビン,βビリルビン,γビリルビンについて解説します。
ビリルビンの分類とδビリルビン
ビリルビンは、HPLCにて、α、β、γ、δに4分類されます。
αは、非抱合型のビリルビンです。
β、γは、抱合型ビリルビンです。
なお、β、γは、肝・胆道系疾患で上昇します。
そして、δビリルビンは、抱合型ビリルビンとアルブミンとが共有結合したものです。
δビリルビンは、肝細胞性黄疸や、肝内胆汁うっ滞、閉塞性黄疸などで血中に出現します。
δビリルビンの代謝は、アルブミンの寿命に依存するため、血中に長く滞留します。
臨床的な意義は不明です。
検査との関係
ビリルビンの検査項目としては、間接ビリルビンと直接ビリルビンの2分類があります
直截ビリルビンの測定試薬には、β、γ、δを、直接ビリルビンとして測定するものと、β、γだけを、直接ビリルビンとして測定するものの二種類があります。
つまり、δビリルビンを測り込む試薬と、そうでない試薬とがあります。
δビリルビンを測り込まずに、β、γだけを測定するものの試薬の方が、抱合型ビリルビンだけを捉えられるので、肝疾患の病態の回復状態を敏感に反映し、また、抱合型ビリルビンの上昇が優位な疾患の経過観察に有用となります。