数年前にアメリカに行ったとき、日本とアメリカの子育ての仕方を比べて大きな驚きを感じました。
例えば、ミルクは缶ジュースのようになった液体ミルクをパカッと開けて、ほ乳瓶 の中に注ぎ込み、室温のまま赤ちゃんに与えます。
そして、缶のミルクの残りは冷蔵庫に保存します。
そのときは、「えっ?温めなくていいの?」「いったん開けてからとっておいていいの?」と疑問が出てきました。
しかし、よくよく調べてみると、国の文化を背景に、子育てにはいろいろなやり方があると理解できました。
日本では、長年、母乳と粉ミルクの二択しかありませんでした。
ここでは、新たな第三の選択肢としての「液体ミルク」のメリットについてまとめます。
液体ミルクのメリット
基本的に、赤ちゃんにとって健康なお母さんの母乳が最良です。
これは、ヒトが哺乳動物である以上当然のことです。
しかし、赤ちゃん自身やお母さんのやむをえない理由によって母乳が与えられない場合や、母乳がどうしても足りない場合などは、困ることになります。
そこで、 安心して赤ちゃんにあげられる液体ミルクが役に立ちます。
ここでは、液体ミルクを使うメリットを、まとめてみます。
日常で役に立つ
・母乳の出が悪いときに母乳の代わりに使えます。
・粉ミルクのようにお湯を使って溶かす必要がないので、簡単です。
・濃縮ミルクの場合でも、水で薄めるだけなので、外出先でも簡単です。
・パパでも簡単にミルクをあげられます。
・空いた時間を、赤ちゃんの世話に集中できます。
・母乳ではどのくらい飲んでいるか分かりませんが、液体ミルクだと、赤ちゃんが、どの位ミルクを飲んでいるか分かる。
・母乳に比べて消化に時間がかかるため、赤ちゃんにの腹持ちが良く、ぐっすり朝まで寝てくれます。
・夜泣きのときでも、すぐに液体ミルクなら赤ちゃんにあげられます。
・DHA、ヌクレオチド、ラクトフェリン、オリゴ糖、カロテンなど、母乳の成分がしっかりと含まれているので安心できます。
災害時にも役に立つ
ある報告によれば、東日本大震災では、避難所の衛生環境や生活環境は、震災直後から時間が経っても「劣悪」だったと言われています。
場所によっては、水道や電気がまったく復旧せず、十分な灯油、食料もなく携帯電話も通じないような状態でした。
そのような環境の中で、多くの妊婦や、新生児・乳児を連れた母親は、どのように災害に対処したのでしょうか?
特別な配慮はなかった
震災のとき、妊婦や乳幼児は、いわば災害弱者であるにも関わらず、配慮がなされていなかったと報告されています。
それは、妊婦や赤ちゃんは「病気ではないから保護すべき対象ではない」という考え方があったためです。
したがって、避難所では、乳児を抱えた母親や妊婦は、避難者と一緒に生活しており、精神的・肉体的にも大変でした。
たとえば、母乳栄養するためのプライベートな空間は用意されず、また、粉ミルクを溶く清潔な水を確保することも難しかったようです。
液体ミルクがあれば
このようなときこそ、緊急時用の液体ミルクが存在価値を発揮します。
母乳をあげるときのようにプライベートな空間は必要ありませんし、また、粉ミルクを溶かすための清潔な水を用意する必要もありません。
とくに、上記のように劣悪な環境下では、非常に強いストレスがかかります。
とくに、親しい人が怪我や死亡などしていれば、そのストレスは計り知れません。
ストレスで母乳が出なくなることがありますから、液体ミルクは、母親にとって心強い味方となります。