さて、今回は、ブロックチェーンによる、食品のトレーサビリティについて記事にしてみます。
この分野は、昨年、IBMが、「グローバルな食品サプライチェーンの大手企業と一緒に取り組む」と発表したことが注目されています。
トレーサビリティ(Trace+ability)とは、「追跡できる」という意味です。
食品を詳しく知りたいときに、あるいは食品に疑問がある場合、パソコンやスマホを使って、誰でも、その食品がどこで、どのように生産され、流通したのか時間をさかのぼって調べることができます。
たとえば、牛肉に、トレーサビリティ法があるのをご存知でしょうか。
牛に個体識別番号を印字した「耳標」の装着や、牛肉への個体識別番号の表示などが義務付けられてます。
牛の性別、種別、出生地、飼養地、流通経路などが、データベースに記録されています。
食品トレーサビリティのメリット
消費者のメリットは、生産履歴を追跡できるので、商品に、いわゆる「生産者の顔が見える」という付加価値がつくことです。
事業者にとってみると、「食品の事故」への対策が容易になります。
ここでいう事業者とは、農家、サプライヤー、加工業者、流通業者、小売業者のすべてです。
流通ルートを確認することで、出回っている食品をすばやく回収できます。
また、流通ルートをさかのぼることで、原因の特定ができ、消費者や取引先の被害を最小限にできますし、適切な再発防止策を実施することができます。
これらは、業務の効率化にもつながります。
このように、生産履歴と流通履歴の可視化によって、食品の安心・安全が確保されることになります。
ブロックチェーンを食品トレーサビリティに使う
ただ、これまでのシステムでは、「システム費用」と「情報入力の手間(人件費)」がネックでした。
なぜなら、もともと農産物や食品は価格が安いので、システム費用や人件費を、価格に上乗せすることが難しいからです。
したがって、どこでも使えるような「導入の容易で、運用・維持・管理が簡単なシステム」が求められていました。
いわゆるエコシステムです。
そこにぴったりなのが、ブロックチェーンというわけです。
ブロックチェーンは、改ざんできない信頼できる台帳ですから、食品との相性は抜群です。
近い将来、こんな感じで、スーパーマーケットのりんごに、バーコードが印字されている時代がやってくるのかも…なんて思ったりします。