以下では、互いに強く関連する視床下部と甲状腺の機能と役割について解説します。
視床下部と甲状腺
甲状腺は、右葉と左葉とからなり、気管の左右に位置します。
甲状腺を形作るのは、甲状腺濾胞です。濾胞の壁は、「濾胞細胞」という細胞からなります。
濾胞細胞は、サイロキシンおよびトリヨードサイロニンという2種類のホルモンを産生し、これらのホルモンは、濾胞細胞の中心に蓄えられます。
ちなみに、サイロキシンは、ヨウ素を4つもつため、T4とも呼ばれ、また、トリヨードサイロニンは、ヨウ素を3つもつため、T3とも呼ばれます。T4は、細胞により取り込まれると、多くの場合、ヨウ素を1つ失い、T3に変換されます。
さらに、濾胞と濾胞との間には、「傍濾胞細胞」という少数の細胞があり、カルシトニンを産生します。
T4とT3の作用
体内のほとんどの細胞は、甲状腺ホルモン受容体を持っています。
タンパク合成、ATP産生、トリグリセリドの分解、神経系の成長促進などの作用を及ぼします。
T4とT3の分泌量の調節
基本的に、視床下部の甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)と、下垂体前葉の甲状腺刺激ホルモン(TSH)により、血中の甲状腺ホルモンの分泌量は調節されます。
なお、血中のヨウ素濃度が上昇すると、甲状腺ホルモンの分泌は抑制されます。
カルシトニンの作用
カルシトニンは、骨基質を破壊する破骨細胞の活動を抑制します。
これにより、血中Caの濃度を低下させます。