ビジネス本『LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略』を読んだうえでの感想です。
ちなみに、本書は、あらゆる人に必読の書かもしれません。
100年生きる時代になった
本書によると、2007年に日本に生まれた子供の50%は107歳まで生きます。
我々も、ほぼ、100年ライフを過ごすことになるでしょう。
昨今は、医療の進歩により、健康寿命が飛躍的に延長されているので、その可能性は大きいと思います。
人生100年になったとき、はたして、時間をどのように使えばよいのでしょうか。
生き方のアップデート
100年ライフの時代には、新しい人生の設計を真剣に考えなければなりません。
「ライフシフト」です。
従来のモデルでは、教育、仕事、余生と大きく3つのステージがありましたが、100年ライフではそうはいきません。
80歳からその先の20年ほどを生きる時代がくるのです。
そこでは、人生の新しいステージが現れ、ともすれば、予測し得ないような人生の節目や転機が訪れるでしょう。
選択肢は増え、従来の3つのステージは、もはや当てはまりせん。
年齢に対する先入観は消え、たとえば、大学生は20代前半という固定観念が消失します。
従来のモデルの通りに生きることが、時代遅れに映るようになるかもしれません。
膨大な時間を与えられる100年ライフでは、自分のロードマップを、自分自身で描く必要が出てきます。
その中でも、とくに重要だと思われるのは、学び直しでしょう。
人生で最も長い時間を費やすのは仕事です。
100年ライフになれば、老後の資金をまかなうために、働く期間は必然的に増えます。
ただし、安定した雇用は期待できせん。
雇用環境は、いつの時代も、我々の期待を裏切るように、大きく変化します。
過去の数十年を過去を振り返ってみても、産業構造の変化は著しく、例をあげれば枚挙にいとまがないでしょう。
きっと今後もそれは同じです。
100年ライフの時代には、大きな変化の連続を避けられません。
時間とともに、身につけた知識やスキルは、どんどん劣化していきます。
それを打開し、長い人生をエンジョイするためには、「新たな学び」が重要です。
いま、日本では25歳以上の大学入学者の割合が2%と低いようです。社会人のいわゆる「学び直し」の割合は、けっして高くありません。
ところが、潜在的なニーズはあるようです。内閣府の調査で、大学で学び直したいと考えている人は8割近いというデータがあります。
他方、社会人になると、新たな知識や経験を身につける機会は、会社内に限定される場合がほとんどです。さらに、付き合う相手が固定化されることで、多様な経験を積むことが、阻害されてしまっている場合も多いでしょう。
いまの社会は、何か新しいこと学びたいという人に対して、きちんとした環境が整備されているとは言えません。
しかし、上述したように、人生の期間が延長された未来では、自分自身で、新しい物事にチャレンジすることが必要になるし、加えて、自分とはスキルや思考が大きく異なる人物と、積極的に接していく機会をもつことが有益になるはずです。
環境のせいにせず、自ら学ぶ姿勢が問われる、そんな時代に突入したのではないでしょうか。