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認知症の患者の残りの寿命は3年〜12年

はじめに

80歳以上の高齢者が1000万人を超え、認知症患者はますます増加しています。

認知症には、アルツハイマー型認知症(Alzheimer’s disease;AD)をはじめ、さまざまなタイプの認知症疾患があります。

いずれのタイプも、ひとたび発症してしまうと、生命予後を悪化させることが分かっています。

認知症の発症時点からの患者の残り寿命(生命予後)については多くの報告があります。

患者の背景によって異なりますが、おおよそ3〜12年の幅があることが分かっています。

なお、認知症患者の死因を見てみると、がん、神経疾患、心血管疾患、呼吸器疾患など、高齢者に多い病気が主な死因となっているようです。

また、認知機能の低下によって、嚥下や呼吸、心拍などを司る脳細胞にも影響が及び、認知症そのものが死因と判断されるケースもあるようです。

参考:寿命を縮める要素

参考までに、残りの寿命を左右する要素には、つぎのものがあると言われています。

・認知症の病期

当然ではありますが、認知症が進行している人ほど、残り寿命が短いという傾向があると報告されています。

・認知症の進行速度

病気の進行速度が速い人ほど、生命予後が悪いことが報告されています。

・認知症のタイプ

アルツハイマー型は、他の認知症のタイプよりも、比較的、予後が良いとの報告があります。
また、レビー小体型の認知症は、アルツハイマー型に比べて予後が悪いとの報告もあります。

・性別

基本的に、男性の方が、女性よりも予後が悪いと言われています。

・抗アルツハイマー治療薬

アルツハイマー治療薬の、コリンエステラーゼ阻害薬によって、生存期間が延びたとの報告があります。

・糖尿病

糖尿病も患っていると、予後が悪いとの報告があります。