みなさんは、こんなような情報に接したことはないでしょうか?
「ある食べ物を摂取することで、心身の症状が改善しました。この研究報告は、学術誌に掲載されました。」
…じつは、近年、問題視されているものがあります。
いわゆる “ハゲタカジャーナル” の存在です。
海外では以前から問題視されていましたが、日本でも、近年、ようやく注目されるようになってきました。
ハゲタカジャーナルとは、掲載に審査がある学術誌(査読誌)であることをうたいながら、著者から論文投稿料を得ることのみを目的として、適切な査読を行わない、 低品質のオープンアクセス形式のジャーナルです。
早い話が、
「お金を支払えば掲載される」
そういう学術誌です。
ハゲタカジャーナルは、フェイクニュースのエビデンスとして使われるケースもあり、要注意です。
ハゲタカジャーナルの見極めは、専門家でも難しいようです。
ふだん学術研究に接しない一般人であれば、それがハゲタカジャーナルかどうか判断する材料が少ないので、なおさら、かんたんに信じてしまいます。
では、一般人ができる対策は?という話になるのですが、
ハゲタカジャーナルの見極め方を、京都大学が紹介していましたので、目安として紹介しておきます(参照先)。
・掲載されている論文に不審な点が多い。もしくは対象分野と大きくかけ離れた論文が掲載されている。
・ そのジャーナルの出版社が、短期間に不自然なまでに多くのジャーナルを刊行している。
・ ジャーナルのウェブサイトに、Editorial Officeの住所が記載されていない。
・ ジャーナルのウェブサイトに、無関係で学術的ではない広告が掲載されている。
・ 編集責任者が明確でない。
・ ジャーナルの名称やロゴが、有名なものに酷似している。
・ 査読の時間が極端に短いことを確約している。
・ 論文の著作権の取り扱いが明示されていない。もしくは著作権は出版社が保持すると記載されている。
・ 論文投稿料が明示されていない。
・ 研究不正や利益相反についての方針が明記されていない。
・ ジャーナルが刊行停止になった際、論文へのアクセスがどうなるかが明記されていない。 等
さいごに、ネット上の医療情報についてですが、個人的な意見を言えば、「ネットの情報は鵜呑みにしない」を徹底してほしいと思います。
インターネットで病気について調べるのであれば、大学病院や各種学会の公的なHPに「一般の方へ」という項目を探して、そちらで知識を得るとか、国立感染症研究所や国立がん研究センターなどの公的施設が発信している情報を信じてもらいたいと思います。
その際は、いずれも、統計的裏付けを、ご自身で確認してもらいたいと思います。
この記事は以上です。
お読みいただきありがとうございました。