ノーベル賞とイグノーベル賞
昨年のノーベル賞は,日本人が受賞しましたね.
喜ばしいことです!
さて,ノーベル賞は誰もが知っていると思いますが,イグノーベル賞というものがあるのもご存知でしょうか?
ノーベル賞のパロディーで,「人々を笑わせ,そして考えさせられる研究」に対して賞を贈ります.
今年は「ピザでがん予防」などが受賞したそうです.
こんなふうに, 世の中には面白い研究がたくさんあるんですね!
というわけで…
今回は,少し驚きのある,おもしろい研究結果をお届けします.
3秒(5秒)ルールの真偽
みなさんは「食べ物を地面に落としたときは,3 秒以内に拾えば食べても大丈夫」という 3 秒ルールを知っていますか?
アメリカでは,3 秒ではなく「5 秒ルール」で, “Five seconds rule!”と叫びながら,地面に落ちた食べ物を食べる人がいるそうです.
まぁ,2秒の差なので,大きな違いはありませんが笑
じつは,アメリカから,このルールの真偽を,真剣に検証した研究が発表されています.
文献: Miranda RC, et al:Longer contact times increase cross- contamination of Enterobacter aerogenes from surfaces to food. Appl Environ Microbiol, 82:6490-6496, 2016
この研究では,食品として
- スイカ
- パン
- バターがついたパン
- グミキャンディー
が用意されました.
また,床の種類としてステンレス,陶製タイル,木,カーペットが用意され,床には,わざと二種類の細菌が付けられました.
そして,それぞれの食品を床に落として,一定の時間(1秒未満,5秒,30秒,300秒)だけ,床と触れさせます.
この実験の結果,スイカではすぐに細菌に汚染され,水分の多い食材は 1秒 以内でも汚染される可能性があると分かりました.
他方,カーペットに落ちたグミは汚染までの時間が長かったようです.
これらのことから,細菌に汚染されるスピードは,食材と,落とした床の状態により異なってくることや,「5 秒ルールは信じないほうがよい」ということが明らかになったとのことです.
…すごく興味深いですね!
というわけで,
これまで3 秒ルールを信じて落ちたものを素早く食べていた人は,今後は,落ちたものは菌に汚染されていると覚悟して食べましょう (ノ_<)!笑