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兵糧攻めにまつわる豊臣秀吉の恐ろしさ「リフィーディング症候群」

このお話は,「豊臣秀吉は恐ろしい」というお話です.

戦国時代の話です.

歴史上,秀吉と官兵衛による,三大城攻めと呼ばれる戦法がありました.

⑴三木の干殺し,⑵鳥取の飢え殺し,⑶高松城の水攻め,この三つです.

ここでとりあげるのは,⑴と⑵の,いわゆる兵糧攻めです.

▼兵糧攻め

兵糧攻めとは,城を包囲し城内へ食料を持ち込ませないことで,城内にいる兵士や馬などを飢えさせる戦法です.

兵糧攻めされた城の中はひどい有様となり,人肉を食べるなど地獄絵図と化したようです.

敵は,耐えきれずに降伏・開城をするしかなかったそうです.

これだけでも,「秀吉が恐ろしい話」としては十分ですが,この話には続きがあります.

▼粥を振る舞った

鳥取の飢え殺しについて残されている記録によると,開城後,秀吉は飢餓状態の兵士や村民に,粥(かゆ)を炊いて振る舞ったそうです.

飢えた人々は,粥をむさぼったそうです.

さぞかし,秀吉は感謝されたことでしょう…

「秀吉サイコー!」

粥を食べた人たちは,そんなふうに思ったに違いありません.

▼死亡者が続出

しかし,事態は急変します.

なんと,粥を食べた者の多くが,その後に死んでしまったのです.

一体なぜ…??

これついて,現代では,当時の兵士や村民は,リフィーディング症候群を発症したと分析されています.

リフィーディング症候群とは,飢餓状態の人に,いきなり栄養をたっぷり与えることで起きる一連の代謝合併症の総称です.

せっかく生き残った兵士や村民は,このリフィーディング症候群により,心不全や呼吸不全などで死んでしまったと推測されています.

▼本当に怖いのは…

実は,この開城後の悲劇について,ある説があります.

それは,秀吉がリフィーディング症候群の存在を知っていたという説です.

わざと粥を振る舞って,敵陣の兵士や村民を死に追いやったそうなのです.

なんという非情な仕打ち…

怖すぎますね.

なお,大河ドラマでは,このあたりの話は出てこないようです.