今回は,ジェネリック医薬品のお話です.
ジェネリック医薬品は,特許が切れた先発医薬品と,基本的な品質,効き目,安全性が同等なお薬です.
「後発医薬品」とも呼ばれています.
近ごろ,社会保障費を抑える観点で,国は,様々な取り組みをし,ジェネリック医薬品の使用割合を高めてきました.
いま,使用割合は60%くらいになっています.
そして,H32年には80%にまで高めようとしています.
そんな背景がある中,国内ジェネリック市場は,今後,年率5~7%のペースで市場が拡大していくと見られています.
今後,みなさんがジェネリック医薬品を服用する機会は,ますます増えていくことでしょう.
安全性 ちなみに,ジェネリック医薬品に関して,たびたび「安全性」が話題になります.
その理由は,ジェネリック医薬品は,
- 先発医薬品と添加剤が異なる場合が多い
- 先発医薬品とは違って大規模な臨床実験をしていない※
などの事情があるからですね.
※ジェネリック医薬品は,先発医薬品と同一の有効成分を同一量含有していることから,薬物動態が生物学的に同等であれば有効性および安全性も同等であるとみなされます.そのため,ジェネリック医薬品では有効性と安全性を確認するために臨床試験を行う必要はありません.
ここで,安全性に関する国の立場は,「原則としてジェネリック医薬品の安全性には問題がない」というものです.
ただし,ざっと私が調べてみたところ,薬剤に含まれる添加剤によっては,アレルギーをもつ人がアレルギー反応を起こすケースが報告されているのを見つけたので,その点は,注意が必要だろうと思います.
なお,ジェネリック医薬品を適正に使用したにもかかわらず,その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じたときは,「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度が利用できます.
ジェネリック医薬品に不安がある人でも,万が一のときの救済制度があるんだと知っていれば,多少は抵抗感が薄れるかもしれませんね.