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同性婚の最高裁判決とその後を予想する

同性婚について,以前,こんなニュースがありましたね.

「同性同士が結婚できないのは、憲法に違反している」として、複数の同性カップルが2019年2〜3月、東京地裁など全国数カ所の地裁で国に損害賠償を求める訴訟を一斉に起こす.

https://www.huffingtonpost.jp/2018/11/29/same-sex-marriage-suit_a_23604105/ より

同性婚ができない現在の法律は「憲法違反」であると訴える目的の訴訟です.

法的争点については,上記のハフィントンポストの記事にまとめられていますので、参考にしてください.

 

この報道の後,本当に訴訟が提起されました.

2019年2月14日,日本で生活する同性カップル13組が,東京,大阪,札幌,名古屋で一斉に国を提訴したのです.

 

活動内容の詳しい説明は,readyforに記載されています.

https://readyfor.jp/projects/MFAJ

 

なお,この裁判では,同性婚の合憲・違憲を直接に争うものではなく,「同性カップルが結婚できない現状は憲法違反であるにもかかわらず,同性カップルが結婚できるための法律を国会がいつまでも作らない(立法不作為)のは違法で,それによって原告らが精神的損害を受けているから,国はその損害を賠償すべき」という内容の損害賠償請求をしています.

この点は,裁判の過程を理解するのに大事になところです.

わたしの予想ですが,この事件は,最高裁まで争われるのではないかと思われます.

過去の判例から考えると,国が勝つ確率のほうが高そうですが(最大判平17.9.14).

裁判要旨(原文)
5 国会議員の立法行為又は立法不作為は,その立法の内容又は立法不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や,国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり,それが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには,例外的に,国家賠償法1条1項の適用上,違法の評価を受ける。

 

この同性婚訴訟で,原告の勝訴・敗訴のどっちの結論が下されても,同性婚に関する立法や法改正の議論は避けられないでしょう.

それは世間を巻き込んだものになるはずです.

本当に大変なのは,裁判が終わった後,ということになりそうです.

なぜかというと,日本国民の同性婚への意見は,世代ごとに、まったく違う状況だからです.

朝日新聞の世論調査では、「同性婚を法律で認めるべきだ」が49%、「認めるべきでない」が39%で、10ポイント差で賛成が反対を上回りましたが、世代による差が大きく、10~30代は7割以上が賛成する一方で、年代が上がるごとに反対が増え70歳以上は6割以上が反対しています。

とはいえ,同性婚は,20を超える国で認められています.

また,国レベルでの同性カップルの法的保護の制度が何もないのは,G7では日本だけだそうです.

 

ちなみに,裁判では,国は,憲法は同性婚を想定していないと述べているそうです.

 

想定されていないから,同性婚を認めない現在の法律は憲法違反ではないという理屈です.

 

…この主張の是非はさておき,裁判の結果,仮に国が勝訴しても,同性婚を認めるように法改正されるのではないでしょうか.

結果,将来的に,性的マイノリティの人たちが,より住みやすい社会へと変化していけばいいなぁ…なんて思います.

みなさんは日本で同性婚を法制化することに賛成ですか? 反対ですか?