はじめに
ネットをパソコンで見ていた時代、人々は、ヤフーなどのポータルサイトや新聞社のサイトなどに掲載されているニュースを見ていました。
これらのニュースは、まだ比較的、読ませる、あるいは、考えさせる類のニュースが多かったと思います。
しかし、ほとんどすべての人がスマートフォンを持つようになり、閲覧されるニュースの種類、量、質は、ガラリと変わりました。
その中心的な役割を担うのが、どんな機種でも手に入るニュースアプリです。
近時は、画面の大きさの制約や、パッと読めることが重要視され、見出しが関心を引きやすく、内容は薄くて、短時間で読めるものが好まれるようになりました。
また、ウェブでも、バイラルメディアなどの大量記事生産型のメディアや、キュレーションサイトが台頭しています。
これらのアプリやサイトの事業は、広告から収益を得ており、消費者には料金がかからない点が特徴のひとつです。また、発信される情報は、ジャンルが多岐にわたり、ビジネス、エンタメ、社会情勢など、さまざまです。これらの点はテレビと同じです。
そして、一見すると、アクセス数を伸ばすためでしょうが、見出しを見ると面白そうなニュースが並んでいます。
無料だからタチが悪い
ユーザーは無料で利用できるため、新聞とは異なり、「選んで見ている」というプロセスがありません。
情報に価値があるかどうか考えずに、目に付いた情報をクリックし、どんどん見てしまいます。
つまり、お金を払って見ますか?と聞かれたら払わないような情報を、大量に摂取してしまうのです。
しかし、重要なのは、全てのニュースは、アプリを配信しているメディア本部が選定しているという点です。
中立とは限らない
発信者がいる以上、そこには当然、利益や思想が関わってきます。
そうすると、会社の利益に反する内容の記事は、載せることに消極的になり、反対に、利益になる記事は、積極的に載せるでしょう。
たとえば、中立を装って掲載された、商品やサービスを紹介する記事です。いわゆる「やらせ」であり、ステルスマーケティング、略してステマや、ネイティヴアドといったものです。
それらは、まだマシな方だとして、より厄介なのは、記者の思想に沿う個人や団体を持ち上げる目的で書かれた記事、あるいは、思想に沿わない個人や団体を非難する意図で書かれた記事を、紛れ込ませている可能性もあります
(今はそういった記事が無いメディアでも、将来、将来、そういう記事が紛れ込んでくるこもしれません)
また、記事の背後に、政治的な主張や、特定の政党の政策を批判する内容を潜ませている可能性もあります。
妄想であればよいが
とはいいつつ、これは現実ではなく、単なる妄想に過ぎないので、大した心配は要りません。
ただ、ニュースを読むときに、そういった視点を持って欲しいと思います。
なぜ、このニュースは、いまこのサイトに取り上げられているのか?
自分の考えが、偏った記事によって、気づかない間に影響を受けている可能性がある、ということを認識してもらえれば、この記事は役に立ったと言えるでしょう。
もちろん、メディアはネットに限りませんが。