パニック障害とは
パニック障害(panic disorder;PD)は、1980年に提唱された疾患概念です。
パニック障害は、精神疾患であり、仕事中に、突然、呼吸困難、めまい、震え、手足のうずきなどのパニック発作が出現し、強い恐怖感を伴います。
また、発作が起きることを心配して、いわゆる「広場恐怖」と呼ばれる様々な恐怖を感じます(外出恐怖、乗り物恐怖、拘束恐怖など)。
パニック障害には治療法があり、主なパニック症の治療には, 薬物療法と認知行動療法(cognitive behavioral therapy:CBT)があります。
ただし、パニック障害は、再発性があることが特徴で、再発までの期間は、4ヶ月から5ヶ月といわれます。
なお、パニック障害が完全に治る(寛解)患者は、全体の3分の1程度といわれています。
職場とパニック障害
パニック障害を持つサラリーマンは意外に多いことがわかっています。
このような障害をもつ方は、就職や転職のとき、あるいは休職からの復職のときに、 会社側の病気に対する理解が不足していることが理由で、病状が悪化してしまうことが多くあります。
特に、パニック障害の大部分はうつ病を併発するので、その場合、仕事への障害度は非常に高くなります。
職場の全員で理解しておくべきこと
職場で最低限、共有すべきことは、つぎのとおりです。
・パニック障害は、本人が悪いのではなく、「脳の病気」であること
・パニック発作は、気が狂うわけでは無く、周りに危害を加えるわけではないこと、さらに、死ぬこともないこと
・治療法があること
・過労や寝不足、過度なストレスが症状を悪化させてしまうこと
職場のスタッフに発作が出たら
職場でパニック発作が出たときは、見守ることが重要です。
そもそもパニック発作は、たとえ医師であっても、緊急対応できることは何もありません。
通常、20分か30分で発作は治ります。
パニック障害の職員への対応方法
うつ病を併発していない場合、なるべく「会社を休ませない」、「無駄な休職をさせない」ことが重要です。
パニック症の治療のためには、職場でパニック障害についての知識を共有することが大切です。
さらに、精神科医, 産業医, そして職場のスタッフの適切かつ十分な連携が必要です。