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医療従事者向け

やせた高齢者は死亡率が高い

高齢者の低栄養が問題。

フレイルサイクル

入院患者の場合、感染症や貧血などの合併症、褥瘡の形成、入院期間の長期化などが引き起こされる。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書p378より

下図は、

  • BMI=20.0~22.9 kg/m2の群に比較したハザード比
  • 追跡開始時年齢=65~79 歳
  • 平均追跡年数=11.2 年
  • 対象者数(解析者数)=男性 11,230 人、女性 15,517 人
  • 死亡者数(解析者数)=男性 5,292 人、 女性 3,964 人
BMI=20.0~22.9 kg/m2の群に比較したハザード比
BMI=20.0~22.9 kg/m2の群に比較したハザード比

低栄養を見逃さず、見つけた場合は栄養管理を強化して回復させることが大切となる。

三大栄養素とエネルギー

エネルギー摂取量が、エネルギー消費量よりも少ないため(低栄養)、体重減少が引き起こされていると言える。

したがって、エネルギー摂取量が、エネルギー消費量を上回るようにすれば、体重増加が見込める(ただし、過栄養には注意が必要)。

ここで参照すべきが、エネルギー換算係数(Atwater 係数)である。

エネルギー換算係数(Atwater 係数)

  • タンパク質 4kcal/g
  • 脂質 9kcal/g
  • 糖質 4kcal/g

同じ重量の栄養素を摂取するのであれば、脂質がもっとも、効率が良い。

栄養評価に利用できるルーチン検査項目

以下の項目が代表的であるが、栄養評価に用いることができる。

  • アルブミン(ALB)
  • コリンエステラーゼ(ChE)
  • 総コレステロール(TC)
  • 総リンパ球数(TLC)
  • ヘモグロビン(Hb)