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医療従事者向け

リネゾリド(ザイボックス)と低リン血症

リネゾリド(ザイボックス)の使用により、低リン血症になることがあります。

MRSA感染症(菌血症,感染性心内膜炎,化膿性脊髄炎)などでは、 起炎菌のMRSAに対し、リネゾリド(ザイボックスⓇ:ミトコンドリア蛋白合成阻害)が使われることがあります。

このMRSA感染症は、低栄養の患者に発症しやすいところ、そのような低栄養患者に急速に栄養補給をすると、低リン血症が引き起こされやすいのですが(Refeeding syndrome:リフィーディング症候群)、そこに、リネゾリドの点滴の中止(終了)が加わると、リネゾリドは、投与中止後、速やかに薬効が減衰する薬物動態であるため、ミトコンドリア障害が速やかに改善してTCA 回路が働き出してしまい、解糖系の活発化(急速なグルコース利用の促進)が、リン酸化を亢進させ、血中のリンの欠乏に拍車がかかるというわけです 。