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特許制度を超かんたんに解説!

先日,こんなニュースが飛び込んできました.

特許庁が,ポータルサイト “IP KNOWLEDGE BASE for Startup”を開設し,スタートアップを支援するという取り組みです.

詳しくはニュースを見てもらえればと思いますが,

実は、日本は2002年に「知財立国」を目指すことを国家戦略の1つとして位置づけて以降、日本は、この分野に国をあげて取り組んできていることは,一般にはあまり知られていません.

現在、特許は,企業活動では自社の事業に優位性を持たせるために,とても重要なものとして活用されています. 研究者の方や,生産現場で働く方にとっては,馴染みのある制度でしょう.

しかし、そのほかの多くの人にとっては,ふだんの生活や職場では,あまり馴染みがなく,関心を持つ機会のない制度です.

以前、わたしは仕事で特許の手続きに関わったことがあり,そのときに勉強したので,今回は概要を,超かんたんに解説してみたいと思います.

①制度の目的は?

特許制度の目的は,産業の発達です. 特許法は,産業が発達して経済がよくなれば人々の暮らしが豊かになる(幸せになる)という発想のもとに作られた制度です. なお,特許制度の目的は、特許法1条に書かれています. この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。 条文構造は、こんな感じです。

発明の保護+発明の利用→ 発明の奨励→産業の発達

② 何が保護されるの?

特許制度のもとでは,新しい技術的アイデア(発明)が保護されます. 発明には,「物の発明」「方法の発明」「物の生産方法の発明」の3つのタイプがあります ちなみに,有名なiPS細胞の特許は,「物の生産方法の発明」として取得されています(特許5098028).

③ 「発明の保護」ってどういうこと?

新しい発明を,書面にして特許庁に出願し,それが一定の条件を満たすと,特許権が与えられます. 特許権を取得すると,その発明に関する行為(商品の生産など)を独占できるようになります. 独占とは,第三者が無断でその発明を実施していれば,それをやめるように請求できたり(差し止め請求),損害があったときにはお金を請求できたり(損害賠償請求)するということです. 特許権は,適切に料金を納めれば,最大で,出願から20年まで保護されます.なお,例外的に,医薬品等については25年まで延長できるケースがあります.

④ 「発明の利用」ってどういうこと?

権利をもつ人によって,発明に関わる商品やサービスが市場に出回ることを,「発明の利用」といいます。 これにより,産業の発達が促されるのです. また,特許出願された発明は,ネット等で公開されます。 公開された情報は,別の発明の研究に利用され,これも産業の発達につながっていきます. ちなみに,特許を含む知財情報は,こちらで検索できます。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp

以上,かんたんに特許制度の解説でした.