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散録

エビデンスがあっても信じられない場合とは

世の中には、「エビデンス(根拠)がある」と言って、論文を紹介しつつ、なんやかんやを紹介する人たちがいます。

食事の仕方を紹介する本なんかは、その傾向があります。

ここで気をつけるべきことは、データから導き出される結論というのは、人間が、データを解釈した結果に過ぎないということです。

その解釈を信用するかどうかは、情報の受け取り手次第ですが、望ましいのは、自らその解釈の正否を考察できることです。

つまり、その解釈のもととなるデータと、データの処理方法を、自分でチェックすることで検証することが望ましいです。

したがって、たとえば、「エビデンスがある」と言ってアブストラクトのみ転載したような主張は、かなりの怪しさを含んでおり、統計学的な観点からの評価が必要です。

サンプル集団の数や質、用いた検定方法が適切かどうか、など検証しなければなりません。

しかし、それには時間も労力もかかります。

その点で、一定の評価を得ているジャーナルに掲載された論文は、査読(チェック)されているため、その評価に応じた信頼性があります。

ただし、データが捏造されている場合は、その限りではありませんが。

とりあえず、本に、ふわっと書いてあることは、鵜呑みにしないことがよいでしょう。