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肝臓がんの療法

原発性肝臓がんには、2種類がある。

肝細胞から発生する肝細胞がんと,胆管上皮細胞に発生する胆管細胞がん。

日本では、肝細胞がんが約 95%,胆管細胞がんが約 5%。

肝細胞がんの原因は、約 70%が C 型肝炎,約 15%が B 型肝炎のウイルス持続感染による慢性肝炎あるいは肝硬変から発生するもの。

肝細胞がんは、予後が不良で、再発しやすい(根治しても3 年以内に半数以上が再発し、5 年生存率が約 50~60%)。

他臓器への転移は少ないが,進行すると肺や骨に転移することがある。

肝臓は、解剖学的に下大静脈と胆囊を結ぶ平面(カントリー線)によっ て右葉と左葉に分けられる。

右葉が全体の約 60%を占める。

左葉は内側区と外側区の,右葉は前区と後区の計 4 つの区域に分かれ,さらに門脈の枝分かれに沿った形で 8 つの亜区域に分かれる〔ク イノー(Couinaud)の分類〕。

8 つの亜区域は尾状葉を S1 とし,これより反時計回りに S2 → S8 と決定する。

S1~S4 が左葉,S5~S8 が右葉。

肝臓には門脈と肝動脈の 2 つの血管が流れ込んでおり,全肝血流量のうち門脈から70%,肝動脈から30%が供給される。肝臓を通過した血液は肝静脈を通って下大静脈に注ぐ。

肝細胞がんの治療法

肝細胞がんの治療法には肝切除,局所療法(ラジオ波焼灼療法,経皮的エタノール注入療法),肝動脈塞栓術療法,化学療法(肝動注化学療法,分子標的治療薬),肝移植などがある。

肝細胞がんの治療の 3 つの柱は肝切除,局所療法,肝動脈塞栓術療法。

肝切除については、肝がんの患者さんでは肝機能が低下していることが多く再発率も高いため,約 7 割がラジオ波焼灼療法や肝動脈塞栓術療法など内科的に治療されているのが現状。

どの治療を選択するかは, 肝機能の程度,がんの大きさ,がんの個数から総合的に判断される。

肝機能の程度を評価する指標として「肝障害度」と「Child-Pugh 分類」の 2 つがある。

前者は肝切除など外科的治療, 後者は局所療法や塞栓療法などの内科的治療のときに肝予備能の目安に使用する。

肝障害度は,腹水,血清ビリルビン値,血清アルブミン値,Indocyanine green(ICG)投与15分後の停滞率(ICG R15 値),プロトロンビン活性値の 5 項目で肝機能を評価する。

プロトロンビン活性値は肝臓で作ら れる血液凝固因子という蛋白質の合成能を反映し,アルブミンと同様に肝臓での蛋白合成能の指標になる。

ICG R15値とはICGという色素を片方の腕の静脈に注射し,15分後に反対側の腕の静脈から血液を採取し ICG の残存している濃度を測定したもので,正常な肝臓では 10%未満です。

肝障害度の A は比較的軽度で,B は中等度,C は重度である。

Child-Pugh 分類は肝障害度の評価項目のうち ICG R15 値の代わりに,肝性脳症の程度で置き換えた 5 項目で肝機能を評価する。