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医療

ASTの専従とICTの専従は兼任できないのか?

病院内の感染関連のチームには、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)と、感染制御チーム(ICT)とがあります。

これまでは、抗菌薬適正使用支援加算 100点(入院初日)の算定要件として、感染防止対策地域連携加算を算定している保険医療機関が抗菌薬適正使用支援チームを組織し、抗菌薬の適正な使用の推進を行っている場合に算定されており、抗菌薬適正使用支援チームの構成員として、つぎの四職種があがっていました。
ア 感染症の診療について3年以上の経験を有する専任の常勤医師

イ 5年以上感染管理に従事した経験を有し、感染管理に係る適切な研修を修了した専任の看護師

ウ 3年以上の病院勤務経験を持つ感染症診療にかかわる専任の薬剤師

エ 3年以上の病院勤務経験を持つ微生物検査にかかわる専任の臨床検査技師

専従を置くという要件

この抗菌薬適正使用加算は、いずれか1名は専従であることが要求されます。

兼任は可能だった?

以前は、「抗菌薬適正使用支援チームの専従の職員については、感染制御チー ムの専従者と異なることが望ましい。」と言われており、ICTとASTの専従者は、兼任していることが多く見られました、

厚労省の公表資料より

 

解釈の変更か

しかし、令和四年の診療報酬改定の疑義解釈資料に、これと異なる次のことが記載されていました。


問 24 区分番号「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準にお いて、「抗菌薬適正使用支援チームを組織し、抗菌薬の適正使用の支援に 係る業務を行うこと」とされているが、
1 新たに抗菌薬適正使用支援チームに係る体制を整備する場合であっ
ても届出可能か。
2 抗菌薬適正使用支援チームの構成員は、感染制御チームの構成員と兼
任することは可能か。
3 構成員のうち「3年以上の病院勤務経験を持つ微生物検査にかかわる
専任の臨床検査技師」について、院内に細菌検査室がなく、微生物検査 を院外に委託している保険医療機関においては、微生物検査に係る管理 を行っている院内の専任の臨床検査技師は、「微生物検査にかかわる専 任の臨床検査技師」に該当すると考えてよいか。
(答)それぞれ以下のとおり。
1 届出時点で当該体制が整備されていれば届出可能である。
2 可能。ただし、いずれかのチームにおいて専従である者については、抗
菌薬適正使用支援チームの業務又は感染制御チームの業務(第1章第2 部入院料等の通則第7号に規定する院内感染防止対策に係る業務を含 む。)のいずれかのみ実施可能であること。
3 よい。


これが突然に発表されたため、現場は混乱しました。

医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師の、だれを専従として届ければ良いのか、急には決められないからです。