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ボリンジャーバンドは役に立つのか?正規分布について考える

ここでは、テクニカル指標として有名なボリンジャーバンドに関する否定的な意見を述べます。

あくまでも私個人の見解であり、最終的な判断は読者の皆様にお任せしたいと思います。

それでは、さっそく。

ご存じのように、ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差で構成され、移動平均を表す線と、その上下に値動きの幅を示す線を加えた指標です。

価格の大半がバンドの中に収まる、という統計学を利用した指標と言われています。

具体的には、つぎのような確率とされています。

しかし、これをトレードに積極的に使うのは、実は、間違っているんじゃないかというのが、私の見解です。

なぜなら、標準偏差をもとに確率の議論する前提として、データが正規分布していることが重要だからです。

世の中には、ボリンジャーバンドに関する解説が多数存在していますが、この点を注意事項として述べたものを見たことがありません。

ここで、価格が正規分布していない事例を紹介するため、S&P500を見てみました。

2009年の1月2日から2022年10月28日までの終値をヒストグラムにして調べてみました。

すると、明らかに、正規分布ではないことが確認できました。

このような正規分布でないことのあるデータに対して、ボリンジャーバンドを使うことは不適切であると思います。

ちなみに、S&P500であっても、チェックする期間や時間足を変えれば、価格が正規分布する箇所は見つかるでしょう。しかし、それは人為的です。

なお、長期的に、価格が正規分布になっている金融商品を探して見つけだすことができれば、ボリンジャーバンドを活用できるとも思えますが、それは今後の検討課題です。