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がん患者のアピアランスケア

がん患者のアピアランスケアについて解説します。

アピアランスケアとは、「医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア」のことです。

外見の変化とは、がん治療によって生じる髪の毛やまつげの脱毛、皮膚や爪のトラブル、手術による傷跡や欠損などです。

これらの変化は、がん患者の自己イメージや自信、社会的な関係性に影響を与えることがあります²。

アピアランスケアは、がん患者の外見問題の解決を学際的・横断的に扱う新たな領域であり、そのための個々の支援方法を「アピアランス支援」と呼びます。

アピアランス支援には、以下のようなものがあります。

– 医学的支援:皮膚科や形成外科などの専門医による治療や処方
– 整容的支援:ウィッグや帽子、メイクやネイルなどの日常的なお手入れ方法
– 心理社会的支援:カウンセリングやグループワークなどの心理的なサポート

アピアランスケアは、がん患者さんが自分らしく生活できるようにすることを目的としています。治療前と全く同じ姿でなくても、周りの人のことが気にならなくなったり、自分らしさを実感できる姿であればよいのです。

アピアランスケアは、まだ新しい分野であり、エビデンスに基づいた指針や手引きが少ない状況です。

そんな中、国立がん研究センター中央病院では、「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」を作成し、医療者向けに情報提供や研修を行っています。

また、同病院には「アピアランス支援センター」という専門部署があり、患者さん向けにウィッグや化粧品の貸出しや相談などを行っています。

そのような病院が今後、増えていくことが望まれます。

以上が、がん患者のアピアランスケアについての基本的な情報です。