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腸結核の病態,検査,診断,治療

腸結核(Intestinal Tuberculosis)の病態、検査、診断、治療について解説します。

病態

下痢、腹痛、血便、発熱、体重減少、腹部膨満、倦怠感、悪心・嘔吐、食欲不振などの症状を呈します。

肺病変の存在により呼吸器症状をきたすこともあります。

なお、回盲部に潰瘍が多発します。特に、輪状潰瘍が特徴的で、治癒期には、萎縮瘢痕帯と呼ばれる変形をきたします。

診断

腸結核では、生検標本の塗抹、培養、PCR法で結核菌を証明することで診断します。

また、組織学的には、乾酪性肉芽腫を認めることで診断が確定します。

検査

1 X線・内視鏡検査

回盲部に輪状潰瘍、帯状潰瘍、地図状潰瘍などを認めます。治癒期には、偽ポリポーシスや偽憩室を伴った萎縮瘢痕帯を形成し、回盲弁は開大します。

2 塗抹検査

病変部の生検組織を用いて、Ziehl-Neelsen法や蛍光法による抗酸菌塗抹染色をします。

3 培養検査・PCR法

病変部の生検組織を用いて培養します。なお、便からの培養は陽性率が低いので勧められません。判定まで数週間かかります。また、PCR法により結核菌遺伝子を検出します。

4 組織検査

病変部の組織に、乾酪性肉芽腫が証明されれば診断は確定します。

治療

腸結核と診断されれば、結核療養所にて治療します。

抗結核療法である、3剤併用療法(イソニアジド,リファンピシン,ストレプトマイシンあるいはエタンブトール)を行います。

腸結核では1週間で症状が改善し、3~4週間でほぼ消失します。