認知症になると、なぜかお年寄りは、着替えを面倒に思ったり、衣服を選ぶことに抵抗を感じたりします。
本人は、「いま着ている服でいい」、「そのままで十分」と考えるようです。
これは、清潔さや不潔さについて、鈍感になるからだと言われています。
身だしなみも整えなくなるというケースもあります。
着替えを誘導するには
着替えが必要なときは、まず、介助者がいっしょになって、服を選んであげることが大切です。
そして、認知症の人は、順序よく着替えることが苦手ですから、手順を横でアドバイスしながら着替えてもらうのが良いでしょう。
また、放っておくと何日も着替えない場合がありますから、自発的に着替えてもらうように勧めます。
たとえば、外出(往診やデイサービスなど)の機会を設けたり、家にお客を呼んだりして、着替えをするきっかけをつくると良いでしょう。
さらに、自分ひとりで着替えてもらいたい場合には、マジックテープやゴムを使った着替えやすい服を用意しておく、衣装タンスに「ズボン」などと中身を書いた張り紙をする、などの工夫をするのも良いでしょう。
言ってはいけないこと
なお、着替えをしないことを、「みっともない」、「不潔だ」などと言うと、ネガティブな感情が残るため、本人をたしなめようとするのは控えましょう。