遠隔医療は、インターネットを用いた医療行為です。
遠隔医療には、さまざまなタイプがあります。
ひとつは、医師がネットを通じて患者を診療する「遠隔診療」です。
また、専門医による、他の医師の支援やコンサルティングもあります。
そのほか、遠隔医療相談、遠隔診断、遠隔モニタリング、遠隔見守りなども含まれます。
これらのうち、いま注目されているのは「遠隔診療」です。
遠隔診療への期待
遠隔診療は、インターネットさえあれば、どこからでも医師に低コストでアクセスできるという利点があります。
しかし、これまで、遠隔診療は、へき地や離島の患者など、ごく一部の人に限定して運用されてきました。
それは、インターネットで得られる情報には限りがあるため、医師はできるだけ、患者と直に接して診療すべきと考えられてきたからです。
ただ、近年は、インターネット技術の発達により、リアルタイムで多くの情報が分かるようになりました。
さらに、料金の支払いも簡単になるなど、遠隔診療を実現できる仕組みが整ってきています。
多くの人が遠隔診療を利用できるようになれば、たとえば忙しくて病院へ行けない人や、心理的に病院を避けてしまう人、「通院の手間」を理由に診療を中断してしまう人でも、かんたんに診察を受けられるようになります。
また、引っ越しや出産などの理由で、来院して継続的に受診することが難しくなった患者でも、遠隔診療で受診の機会が得られます。
これらは、生活習慣病の早期発見や、継続受診による重症化の防止につながるため、医療コストの抑制の手段として期待されています。
普及促進の動き
遠隔診療に対して支払われる診療報酬は、対面に比べると低いのが現状ですが、増額により普及を目指す取り組みが始まっています。
つぎのページでは、遠隔診療の受け方と流れについて紹介します。