病院内において、InBodyという機器により検査を実施すると、体成分分析にあたり、検査料(体液量測定60点)のコストを取れるという話があります。
これを、医師の指示のもと、看護師や、准看護師であれば、疑いなく適法に実施可能です。
参考
論点
ここで、inbodyによる検査については、
- 診療補助行為にあたるのかどうか?
- さらには、診療補助行為に当たる場合は、看護師や准看護師のほかに、誰が患者にinbodyの検査して良いのか?
という論点があります。
はじめの論点については、私見ですが、微妙なところだと思います。
検査結果が、患者の治療に影響しうるため、診療の補助にあたるといえば、そう言えなくもないのですが、体重計で体重を測定するのと、あまり変わらないと言う気がするからです。
したがって、個人的には、2の論点は発生しないとは思われます。
つまり、現実にはやらないでしょうが、事務職の職員(無資格者)が検査しても、違法ではないと思います。
とはいえ、一応の検討をします。
2の論点について言えば、検査と言えば、臨床検査技師が頭に浮かびますが、実は、InBodyによる検査は、法文上は、臨床検査技師の業務として法律に定められている生体検査には該当しません。
さらに、この検査は、病院によっては、臨床工学技士や、管理栄養士や栄養士が実施する場合もありますが、それらの職種は、そもそも、生体検査(生理検査)を実施することが想定されていません。
業務範囲として、inbodyによる検査ができると、はっきりと法律に書いてあるわけではないということです。
しかし、ここは法律の難しいところですが、法律に書いていないからと言って、それが直ちに違法と評価されるわけではないということがあります。
解釈によって、「適法」あるいは「違法とまでは言えない」などと評価されることがあるのです。
医師の手足論
たとえば、inbody検査をやるときに、医師が、検査担当者の側で見守っており、まさに、検査担当者を、手足の如く使って検査した場合は、それは、医師の行為であると認定する考え方があります。
拡大解釈(当然に許容されるという論)
たとえば臨床検査技師であれば、心電図を実施することが法律に書いてあります。
心電図ができるのであるから、検査によるリスク(たとえば感電事故など危険度)がそれほど変わらないinbody検査も、同様にできると解釈するのです。
これは、法律の拡大解釈ということになります。
ただ、この論法は、臨床工学技士や管理栄養士ならびに栄養士に用いることができるのかというと、少し無理があるかもしれません。
結局のところ
どんな法律問題もそうですが、結局のところは、最高裁判所が判断するまでは、確定しません。
検査の担当者は、粛々と検査をすればよいでしょう。