ACTHについて解説します。
ACTHとは
ACTHとは、副腎皮質刺激ホルモンです。
物質的には、分子量4556のポリペプチドです。
ACTHは、副腎皮質を刺激して、コルチゾールおよびコルチステロンの分泌を増加させます。
フィードバック機構
フィードバック機構は、つぎのようになっています。
視床下部(CRH)⇄下垂体(ACTH)⇄副腎(副腎性アンドロゲン、アルドステロン、コルチゾール)
ACTHの分泌異常
増加する場合
アジソン病
副腎の萎縮や、結核性破壊によりコルチゾール減少が生じ、結果、フィードバック機構によりACTHが増加します。
先天性副腎酵素欠乏症
コルチゾール産生に必要な酵素が欠乏すると、コルチゾールの産生が低下し、結果、フィードバック機構によりACTHが増加します。
クッシング病
ACTHの分泌亢進によって、両側副腎の過形成をきたします。
異所性ACTH症候群
肺がん、胸腺がん、すい臓がん、ランゲルハンス島がんなど、下垂体以外の組織にある癌が、ACTHに似た物質を産生します。
低下する場合
下垂体機能低下症
原因はさまざまですが、下垂体の機能が低下することに伴い、ACTHが低下します。
ACTH単独欠乏症
ACTHが急に欠乏する状態です。
クッシング症候群
副腎皮質の腫瘍からコルチゾールが産生され、結果、フィードバック機構によりACTHが低下します。
ステロイド投与
ステロイドの長期投与により、ACTHの分泌が抑制されます。