マラスムスとクワシオルコル

マラスムスとクワシオルコルについて解説します。

マラスムス

飢餓や、消化・吸収障害などにより栄養素が不足した場合、エネルギーや蛋白質が欠乏します。

エネルギーと蛋白質が、両方とも不足あるいは欠乏している状態を、マラスムス(Marasmus)と呼びます。

エネルギーと蛋白質の不足が長く続くと、エネルギーの貯蔵庫である脂肪組織や、タンパクの貯蔵所である骨格筋が分解され、エネルギー源として、ケトン体やグルコースが産生されます。

したがって、マラスムスでは、脂肪組織の減少や、骨格筋の萎縮がみられます。

ただし、骨格筋からアミノ酸が放出され、そのアミノ酸が肝臓に取り込まれて蛋白合成が行われるため、血清アルブミンやトランスフェリンなどの蛋白は、比較的正常域に保たれ、浮腫はみられません。

マラスムスの語源

マラスムス(Marasmus)は、もともとは、ラテン語のmarasmosやギリシア語のmaraineinに由来し、『衰弱する』、『しおれる』という意味があります。

クワシオルコル

一方、エネルギー量は比較的確保されているものの、蛋白質が著しく不足あるいは欠乏している状態を、クワシオルコル(Kwashiorkor)と呼びます。

一般に、炭水化物の摂取時には、インスリンが分泌されるため、脂肪組織や骨格筋の分解がブロックされます。

したがって、クワシオルコルでは、肝臓における、血清アルブミンなどの蛋白の合成が低下するため、浮腫が現れます。

クワシオルコルの語源

クワシオルコル(Kwashiorkor)の語源は西部アフリカ,ガーナの俗語で、意味はkwashi=first, orkor=secondで、母親が第2子を妊娠した時の第1子の状態を意味するといわれています。すなわち、第2子を妊娠した母親から離された子供に起こる病気という意味です。母親が第2子を妊娠すると母乳哺育が中止され、炭水化物主体の食事で養育されるために低タンパク状態に陥るという意味です。なお、一方で、kwashiorkorの子供に見られる皮膚の症状から、kwasi=子供, orkor=赤い,に語源があるという説もあります。

マラスムスとクワシオルコルの成因

マラスムスおよびクワシオルコルの成因としては、飢餓だけでなく、消化吸収障害、感染。腎臓・肝臓障害、悪性腫瘍、神経性食思不振症など、様々なものがあります。