癌になると低ナトリウム血症になる仕組み

低Na血症とは

低ナトリウム血症(以下、低Na血症)は、血清Na濃度が135 mEq/L未満の場合です。

低Na血症は特異的な症状に乏しいため、検査で偶然に発見されることが多いです。

これは、ナトリウムの摂取不足が原因ではありません。

低Na血症の主な原因としては、つぎの二通りあります。

原因1

水を飲みすぎることで血液が薄まって低Na血症となる場合です。

原因2

腎臓で水の再吸収とNaの排泄とが促進されることで血液が薄まって低Na血となる場合です。

がん患者と低NA血症

がん患者の場合、二番目の原因で低NA血症になります。

具体的には、がん細胞から、不必要に「バソプレシン」というホルモンが分泌されます。

バソプレシンは、抗利尿ホルモン(ADH)とも呼ばれるホルモンで、腎臓に作用します。

腎臓は、バソプレシンの作用を受けて、作成した尿から、水を積極的に再吸収してしまいます。

その結果、体内に水がたまって血液が薄まり、結果として低Na血症となります。

すべてのがん患者に認められる訳ではありませんが、このような原理で発生する低NA血症は、がん患者の何割かに認められる症状です。

治療法

一般的には、点滴でナトリウムを補充しつつ、がんの治療を行います。