抗凝固剤には、後述するように、様々なものがあります。

これらは、血漿を得るために、採血管に入れられています。

抗凝固剤は、作用により、2種類に大別されます。

脱Ca作用の抗凝固剤

EDTA塩

エチレンジアミンテトラアセテートを略してEDTAと呼びます。

EDTA塩は、キレート剤として、血液1mlに対し約1mgが添加されています。

特にカルシウム、銅、鉄(3価)に強く結合します。

血漿中の遊離Ca++イオンが EDTAによりキレート化することでトロンビンの形成が阻止されて血液凝固を阻害します。

2Na塩、2K塩、3K塩などがあります(血球検査には、2K塩が広く用いられます)。

EDTA塩の用途は、血球計算(血算)やアンモニア測定です。

白血球の形態がよく保たれる点にメリットがあります。

しかし、脱Ca作用が強く、凝固検査には不適です。

なお、EDTAは、in vitroで血小板の凝集を引き起こし、偽血小板減少となる場合がある点がデメリットです。

クエン酸ナトリウム

3.2%の等張液として用います。

血液9に対して、1の割合で添加します。

用途は凝固検査です。

検査時に、Ca添加で凝固させることが可能です。

希釈されるので、血球計算(血算)や生化学検査に不適です。

フッ化ナトリウム

用途は、血糖検査です。

解糖の阻止ができます。

二重シュウ酸塩

二重シュウ酸塩は、シュウ酸カリウムとシユウ酸アンモニウムを混合したものです。

血液1ml当り2mgを用います。

なお、二重シュウ酸塩は血小板凝集、白血球減少作用が強く、血球形態変化も高度で、近年は用いられません。

抗トロンビン作用の抗凝固剤

ヘパリン

ヘパリンは、アンチトロンビン皿(AT-III)を活性化することで凝固系を抑制します。

AT-Ⅲは、トロンビン、第Xa因子のセリンプロテアーゼを阻害します。

通常は、ナトリウム(Na)塩や、リチウム(Li)塩として採決管に添加されています。

ヘパリンの添加量は、血液1mlに対し0.1~0.2mgです。

なお、ヘパリンは白血球・血小板の凝集を起こしやすいです。

代表的な用途は、血液ガス測定です。

留意点

血漿中には、抗凝固剤の成分が残存したままとなり、検査データに影響を与えます。

成分は採血管の種類によりますが、カリウム、ナトリウム、リチウム等が影響を受けます。

また、EDTA等のキレート作用がある抗凝固剤を使用した採血管では、カルシウム、マグネシウム、鉄等の金属成分が低値となります。

それらの金属を補酵素とする酵素活性についても、著しい低下をきたします。