液体ミルクと食中毒について解説します。

液体ミルクの中に菌がいる

一般に、「加熱調理された食品は安心だ。」と思っている人が多いようです。

たしかに、加熱することで、食中毒菌をはじめ、多くの微生物を殺すことができます。

液体ミルクは、法律で加熱殺菌が義務づけられていますから、大腸菌などの一般的な細菌は死滅します。

しかし、液体ミルクの殺菌方法では、数は少ないものの、乳酸菌をはじめとする何種類かの菌が生き残っています。

ですので、液体ミルクは冷蔵での流通が基本であり、もしも室温で放置すると、じつは、数日で腐敗します。

ただし、中には、完全な殺菌をして無菌充填された液体ミルクも存在し、これは室温での流通が可能です。

どんな菌が残っているか

加熱でも生き残る菌のうち、有毒なものは、いわゆる芽胞菌がほうきんと呼ばれる菌です。

熱に対してきわめて強い菌です。

聞きなれない名前かもしれませんが、たとえば、バチルス属(Bacillus)やクロストリジウム属(Clostridium)に属する菌があります。

もっと具体的には、「セレウス菌」、「炭疽菌」、「破傷風菌」、「ガス壊疽菌(ウエルシュ菌)」、「ボッリヌス菌」などです。

中でも、液体ミルクで、赤ちゃんの食中毒の原因にもっともなりやすいのは、セレウス菌です。

セレウス菌中毒は、嘔吐、下痢などを引き起こし、日本では焼飯やスパゲティーなどが主な原因になっていますが、牛乳に潜んでいるケースが報告されています。

セレウス菌は、加熱でほかの菌が死滅した環境では、むしろ増殖しやすくなります。

つまり、液体ミルクを室温で放置すると、セレウス菌が増殖しているという状態になってしまいます。

菌が混入することもある

ふつう、液体ミルクは、開封して、哺乳瓶に移します。

しかし、その間に、空気中の菌や、手についていた菌が混入したりする場合があります。

たとえば、上に述べた芽胞菌もそうですが、特にやっかいなのは、食中毒を起こす「黄色ブドウ球菌」です。

黄色ブドウ球菌は、増殖のスピードが非常に早く、液体ミルクを室温で放置すると、あっという間に増えてしまいます。

食中毒対策は

液体ミルクによる食中毒を防ぐには、液体ミルクの開封後に赤ちゃんに飲みきってもらうのがベストです。

もし全部を飲みきれない場合は、冷蔵庫に保管しますが、やはり、長時間の保存はせず、数時間以内に飲みきってしまうのがよいでしょう。

なお、室温放置してしまったときの取り扱いには注意が必要です。

まちがって室温放置してしまったものを、どうしても飲ませなければいけないときは、再加熱して飲ませるのが良いでしょう。

芽胞菌は熱に強いとすでに述べましたが、じつは、液体ミルクの中で増えている間は、熱に弱い状態になっているからです。

まとめ

液体ミルクは、母親と父親にとって、とても便利なものです。

しかし、液体なので、菌が増えやすくなってしまうデメリットがあります。

できるだけ清潔な状態にして、数時間以内にすばやく赤ちゃんに飲んでもらうのがベストです。