コリスチンとは

コリスチンは、抗生物質です。

略号は、「CL」と表記されます。

ただし、カプセルや点滴などの薬剤に含まれる物質は「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」です。

コリスチンの体内動態

コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムは、生体内で「コリスチン」に変換され、抗菌活性を発揮します。

コリスチンへの変換割合は、およそ30パーセントと言われています。

コリスチンは、主に腎臓から尿中へ排泄されます。

コリスチンの作用

コリスチンの標的は細胞外膜です。

グラム陰性菌のリポポリサッカライド分子との静電気相互作用により細菌外膜の安定性を低下させます。

その結果、細胞外膜に局所的な障害を起こし、細胞内物質を流失させて殺菌活性を発揮します。

コリスチンの適応

コリスチンの適応症は、感染性胃腸炎であり、適用菌種はコリスチン感性の大腸菌、シトロバクター、クレブシエラ、エンテロバクター、緑膿菌、アシネトバクター、赤痢菌などです。

コリスチンの商品名

製剤としては、商品名「メタコリマイシン(カプセル(顆粒))」、商品名「コリマイシン(散剤)」、商品名「オルドレブ(点滴静注用)」があります。

コリスチン耐性菌とは

近年、最強と言われた抗生物質「カルバペネムに」に耐性である腸内細菌科細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae: CRE)による感染が、世界中で問題になっていたところ、コリスチンは、CREに活性がある薬剤とされ、多剤耐性菌に対する「最後の選択肢」として期待されていました。

しかし、すでに海外ではコリスチン耐性の菌株が出現してしまったと報告されています。

コリスチン耐性菌は、コリスチン以外の多くの薬剤に抵抗性を示すため、治療自体も非常に難しく、致死率が高いと言われています。

この耐性菌群を封じ込めるため、病院レベルではなく、地域レベルあるいは国家レベルでの対策が求められています。