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ファージ療法とは

ファージとは

ファージとは、バクテリオファージとも呼ばれる、細菌にのみ感染するウイルスの総称です。

環境中だけでなく、人体にもファージは存在しています。

ファージ感染により菌は溶菌されて死滅する場合があり、これは、環境やヒトの細菌のバランスに影響を与えていると言われています。

ファージ療法とは

ファージ療法(ファージセラピー)とは、ヒトにファージを投与することであり、細菌感染の治療を目的としています。

ファージ療法は、感染症治療法として研究されてきた歴史的な経緯はありますが、1940年代の抗生物質の登場により、研究されなくなってしまいました。

しかし、近年、さまざまな抗生物質に対する耐性菌(多剤耐性菌)の出現が問題になり、ファージ療法が再び注目されています。

理由は、ファージ療法の殺菌メカニズムが、抗生物質のそれとは異なるため、薬剤耐性菌についてもファージが有効だからです。

また、抗生物質は、ヒトに副作用を与える場合がありますが、ファージは副作用がほとんどないことも、注目の理由となっています。

なお、ファージ療法は、一部の国(ポーランド、グルジア、ロシア)では現に実施されているようです。